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覆面ヘッドハンターの一刀両断!

岩波書店「縁故採用」問題(中)
覆面ヘッドハンターの一刀両断!
2012年3月13日 07:00

<1,000名の応募者から公正・中立に1名を選ぶ?>
 前回、岩波「縁故採用」問題の厚生労働省の対応は、全く"木を見て森を見ない"対応であると書いた。岩波書店側は「縁故・コネ採用ではない」と反論し、「採用は1名~2名だが、応募は1,000名~2,000名ある」と付け加えている。一方、新聞は、賛成、反対の企業担当者双方の意見、その場限りのエセ評論家の意見を載せて、例によってお茶を濁している。

bi.jpg 厚生労働省には、本質が見えていないので、何の解決策も出てこない。その結果、社会人として自立ができていない就活中の学生に大きな動揺を与え、傷を深くしている。問題の本質はどこにあるのか、抜本的にどのような手を打つべきか。皮肉にも、岩波書店「縁故採用」問題は、この解決、進展に、一石を投じたと言える。

 実際の例として、応募者1,000名から1名、10,000名から10名ということがあるが、その場合、落とすための選考になることは、誰が考えても分かる。企業は、採用の負担を軽くする為に何ができるかに主眼を置くようになる。"人材は会社の宝"は真実であるが、会社の本業は「採用」ではない。新卒の場合、社会人経験がないので、最終的には、 "一か八か"の採用に成らざるを得ないことも多くある。就活という僅かな時間だけで、正しい判断などできるはずがない。必要以上には時間を割けないのだ。

 厚生労働省の官僚に聞きたい。あなたが企業トップの場合、1,000名の中から、100%、公正・中立に、1名を選ぶ自信があるのか。恐らく無理だろう。誰でもそうだ。それは、筆記テストだけが唯一の合否基準である場合にのみ、可能だからだ。

 新卒採用は、面接試験がその合否の鍵を握っている。そして面接官はロボットではない。感情のある人間が面接官だから、主観に左右されるのは避けられない。その中でも、それぞれの企業が、できるだけ客観性を保つべく、精一杯努力してきたのだ。

 しかし、環境は、インターネットの普及によって激変した。悪化の一途を辿っている。
 今では、有名企業であれば、10,000名の応募者で合格者5名とか10名は普通だ。勿論、10年以上前でも、これほどではなくても、高い倍率のところはあった。しかし、それはマスコミの"記者"、"編集者"とか"研究員"等ごくわずかな分野のスペシャリストに限られていた。ところが今は、有名企業であれば、技術職や事務職を問わず、この倍率は普通だ。正直、採用担当者は、全てのレジメを、公正・中立に見ることなどできない。

 誰がやっても、物理的に無理なのだ。

【富士山 太郎】

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<プロフィール>
富士山 太郎 (ふじやま たろう)
ヘッドハンター。4,000名を超えるビジネスパーソンの面談経験を持つ。財界、経営団体の会合に300回を超えて参加。各業界に幅広い人脈を持つ。




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