ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

特別取材

【世界に誇れるニッポン】 根気強くモノにした東レの「炭素繊維複合材」(1)
特別取材
2012年3月29日 18:28

 東レ、帝人、三菱レイヨンの日本3社が世界シェアの約7割を占めている炭素繊維複合材。なかでも東レは、先駆けてこの分野に参入し、ボーイング787に独占供給するなど成功を収めている。航空機だけでなく、電気自動車、風力発電機など、さまざまなところで、その可能性は広がっている。しかし、当然ではあるが、どこ国の企業にでも作れるわけではない。
 なぜ、日本の企業がダントツの世界ナンバー・ワンとなれたのか?

<B787に使われ注目度アップ>
東レ 炭素繊維 炭素繊維とは、アクリル繊維を加熱し、炭化させ、分子の結びつきを強くしたもの。しなやかで加工性がよく、軽く、丈夫で強い。鉄の4分の1の軽さで、しかも、強度は10倍。東レの炭素繊維複合材は、ボーイング787に採用され、一躍、注目度が上がった。B787には、炭素繊維と樹脂を組み合わせたシート状の「プリプレグ」という炭素繊維複合材を供給。主翼や胴体などに、さまざまな角度で巻きつけてその強度を強めている。炭素繊維によって軽量化に成功したB787は、燃料効率を20%も上げることに成功。低燃費で、かつ、長距離の飛行が可能となった。

 この東レが誇る先端素材は、人工衛星はやぶさやロケットにも使われ、宇宙にも飛び立っている。電気自動車、風力発電の風車、耐震用の橋梁の補強、中国など広い地域での電線の主軸など、軽量化、補強を必要としている部分への用途はまだまだある。金属より強度があり、軽量化できるため、自動車の燃費向上などに期待できる素材だ。地球環境の面でも今後、注目度はますます高まっている。

<粘り、根気強さが結実>
 炭素繊維の市場では、日本が世界シェア約7割と断然のトップを突っ走る。日本の繊維メーカーが、根気強く築き上げてきた技術力が、世界で広く必要とされている。
 今でこそ、航空機、自動車の軽量化に欠かせない先端素材となっているが、その開発は、5年や10年でモノになったわけではない。

 東レが炭素繊維の商業生産を始めたのは1971年からである。炭素繊維があまり知られていなかった時代から、先駆けて研究開発を続けてきた。研究開発に投資した額は累計で約1,200億円。長期間に渡って、"ブレなかった"のだ。この約40年の間、ボーイング社など航空機会社の性能向上への「ムチャぶり」とも思える高度な要求に的確に対応。利益が出ない時期もあったが、粘り強く、炭素繊維の事業に賭けてきた。

 東レの炭素繊維が世界トップとなっていく過程には、現代の日本人が忘れがちになっている「泥臭い努力」と「粘り」があった。

(つづく)
 
【岩下 昌弘】
      | (2) ≫


※記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

特別取材一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル