今を生きる日本人にとって生涯忘れることができない日、2011年3月11日から1年と1カ月が経過した。除染や、原発の廃炉問題など、まだまだ課題は山積したままで解決の糸口さえ見えない。しかし、今ほんの少しだけ未来に目を向けてみよう。再生可能エネルギーへのシフトという、希望の未来へ。
<変われない国、変わりゆく世界>
日本全国には54基の原子力発電所がある。この原稿を書いている4月上旬の今、稼動しているのは北海道電力の泊原子力発電所3号機のみ。しかし、大飯原発(福井県おおい町)は再稼働への道を着々と歩んでおり、なおかつ老朽化した原発も含めて、ただの1基も廃炉の決定さえなされていない。また、被災地がれきの広域処理問題に関しても、議論すべき数多くの問題が放置されたまま、政府の思惑通りに自治体による受け入れが決まりつつある。
記者として原発問題を見つめるなか、心が挫けそうになることがこれまで何度かあった。福島のような過酷な事故が起きながら、相変わらず原子力ムラには利権という蜜を求める人々が蠢いている。その勢いは、3.11以前とさして変わらないのかもしれない。認めたくはないが、原発再稼働さえ抗うことができない運命なのかもしれないと感じることもある。記者として活動するなかで、そういった現実や観測が、時に心を挫きそうになるのだ。
しかし、影があれば、必ず光がある。この問題における光――つまり、希望の部分とは、すばらしき省エネのテクノロジーと、再生可能エネルギーへのシフトだろう。この分野の技術革新は、生きる希望を与えてくれる。
2010年に公開されたドイツのドキュメンタリー映画『第4の革命~エネルギー・デモクラシー~』。その作中、発明家で起業家のイーロン・マスク氏は、こう語る。
「人類の未来を左右するもの――それは、3つある。インターネットと再生可能エネルギーへの移行、そして宇宙開発により地球の外へ出ることだ」。
すでに同氏は、インターネット決済サービスとして定着した「PayPal」の前身であるX.com社や、宇宙開発技術のスペース・エクスポラレーション・テクノロジース社(通称スペースX社)を設立しており、現在は再生可能エネルギー分野にも注力している。エネルギーシフトは、"たられば"の理屈が産み出した夢物語などではない、現実に手が届く人類の悲願だ。
<誰のためのエネルギーシフトか>
そしてエネルギーシフトは、我々先進国に住む人間だけのものではない。現在でも、アフリカでは約6割の人々が電気と無縁の生活をしていると『第4の革命』で語られている。人類の発展は電気とともにあった。その電気をすべての人々に届けるために、さらにおびただしい数の原発を建設することが、果たして人類にとって正しい道と言えるのだろうか。
作中、アフリカの産婦人科医院に太陽光パネルが設置され、小さな電球に明かりが灯った。それまでこの医院では、夜中のお産の場合は暗闇のなか手探りで対応していたそうだ。
このように、エネルギーシフトを進める理由は、先進国による原発推進の後始末に留まらない。むしろ、そちらの方がよほどケチで自業自得な理由であり、本質的に見れば、人類のさらなる発展のために必要とされる革命なのである。
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『第4の革命』上映会を開催!
■Touch and Switch @ Fukuoka
<日 時>
5月13日(日)午前10時より
第1部(午前10時30分から)
映画『第4の革命』上映
第2部(午後2時から)
太陽光発電システムワークショップ
<場 所>
福岡アジア美術館8F あじびホール
<料 金>
2,000円(18歳以下は1,000円、3歳まで無料)
<申し込み>
特設サイトの申し込みフォーム、または下記アドレスにタイトルを「5月13日予約」として、「お名前」「人数」「電話番号」「太陽光発電システム購入の有無(42,800円)」を明記のうえ、送信してください。
予約アドレス:yoyaku.fukuoka@gmail.com
『第4の革命 ~エネルギーデモクラシー~』
監 督:カール-A. フェヒナー 製作年:2010年 時間:83分
出演者:ヘルマン・シェーア/ムハマド・ユヌス/イーロン・マスクほか
製作国:ドイツ、デンマーク、ノルウェー、フランス、スペイン、マリ、バングラデシュ、アメリカ、ブラジル、中国
製 作: フェヒナーメディア 配給・宣伝:ユナイテッドピープル
協 力:東京ドイツ文化センター
(あらすじ)
2010年に公開され、13万人を動員。再生可能エネルギーの可能性を探るドイツのドキュメンタリー映画。3.11後には、同国においてテレビ放映され200万人が視聴。ついには、ドイツに脱原発とエネルギーシフトを決断させた。

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