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社会・地域のリーダーを育てる!~福岡青年会議所(後)
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2012年4月25日 07:00

<屋台文化を考える>
0425_suematu.jpg 福岡を元気にするために、さまざまなアイディアを取り入れ、企画を発信する青年会議所。理事長の末松大和氏は、福岡の魅力を再確認し、発信していく方法として"スポーツ"と"食文化"の活性化を掲げた。年頭にインタビューした時点では、食文化について問うと、「今、興味を持っているのは"屋台"です」と身を乗り出した。
しかし、福岡の代表的な風物詩のひとつではあるものの、屋台の存続に関しては、賛否両論ある。どのような形で実行に移すのか、青年会議所の動きに興味を覚えた。

 そして数カ月後、会員以外も参加できる、4月度講師公開例会で、講演「屋台から見た福岡の魅力」が行なわれると知った。講師は、『デフレの正体』の著者、藻谷浩介氏。自身が提案したテーマを、JC会員とともに学んでみようと、さっそく講師を招聘したところが意欲的だ。その熱意ある行動に、「一度実行すると決めたら、行動が早いのがJCの良いところなんです」と明言していた末松理事長の言葉を思い出した。

<福岡の魅力が屋台を支えた>
0425_reikai.jpg 4月12日の例会当日、キャナルシティ博多にあるグランドハイアット福岡内の講演会場は、一般参加者とJC会員で、ほぼ満席状態となった。なるほど、これが福岡青年会議所という組織なのか、と辺りを見渡してみると、多くのJC会員が、今後の活動の糧とすべく、会場に駆けつけ講演に耳を傾けていた。  

 少し、講演の内容に触れてみる。

 まず藻谷氏は、まちの賑わいを損なわせるのが、"広い道路"であると述べ、交通量の増加に耐え得る道路整備が、街の活気に直結するわけではないことを示した。その後、昭和20年代以降の戦後の復興、都市整備事業計画によって、全国各地から屋台が淘汰されていくなか、今も屋台を存続させている福岡を評価した。屋台を続けることが可能だったのは、福岡が、他の都市にはない魅力を持っていたからだ、ということを示唆しながら。

 その魅力とは何かというと、"人情"だ、と藻谷氏は言う。よく、「福岡にはランドマークがない」という話を聞くが、ランドマーク以外のところに見るべき部分があったということだ。藻谷氏も、この仮説を確かめるためにちょっとした実験をしてみた。あまり出歩くのが得意ではない自分の家族に福岡を自由に散策してもらい、感想を尋ねみたのだ。

 すると「福岡は、なんとなく人が明るくて元気が良い。良い街だから、また行きたい」という答えが返ってきたという。藻谷氏も、手ごたえを感じたようだった。不特定多数を対象にしたアンケート集計とは意味合いが違うが、生の意見として耳を傾け、こう考えてみる価値はある。衛生問題、道路管理問題、税金問題というさまざまな問題がありながら、屋台が存続しているのは、路上で、食を介して対面しながら感じる人と人との触れ合いに、魅力を感じる人がいるからではないだろうか、と。

 さらに藻谷氏は、屋台を用いて成功したさまざまな都市の例を挙げながら、「福岡青年会議所の皆さんが、屋台に着目し、興味を持ってくれたことを嬉しく思う」と締めくくった。

<夏に向かって、いよいよ力を発揮>
 一般公開の例会が終わり、場は会員限定の総会となった。例会の数日前には、「夏には、温めている企画を実行に移していくことができそうです」との話も聞いた。閉じられた扉の向こうでは、末松理事長を中心に、今後、具体的に福岡を元気にしていくための話し合いが行なわれるのだろう。

 街の魅力を再認識し、発信していく方法として、前回、理事長が提案していた"マラソン"も、今回の"屋台"も、広い道路を人に開放し、街をひとつのコミュニケーションの場として成立させる。人と人が触れ合い、心通わせる、その行為そのものが、市民を活気立たせ、街を元気にする。

 そして青年会議所自体も、福岡の若き経営者たちを福岡という場所に立たせ、活躍させることによって、未来の福岡経済を担う人材を育てていくのだろう。
 「食とスポーツ、そしてもうひとつ大切なのは、教育だと思っています。これはまた奥が深くて、簡単には語れそうにありません。子どもたちへの教育ももちろんのこと、青年会議所で行なわれる人材育成のメソッドも、何らかのかたちで社会に還元していけるのではないかと思います」と末松理事長は語っていた。
 福岡青年会議所60周年を目前とした2012年度理事長として、その敏腕を発揮するのは、これからだと言えそうだ。

(了)
【黒岩 理恵子】

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