ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

竹原信一氏・特別寄稿

前阿久根市長・竹原信一が語る「ひどすぎる国家のしくみ」(15)~原発作業員に心からの感謝を
竹原信一氏・特別寄稿
2012年5月 2日 14:20

sora_14.jpg 国民を本当に命がけで守っているのは福島原発の作業員だ。東京電力社員の話を聞いた。「事故処理に当たっている作業員が被ばくして死んでいる。事故資料に被曝で片目が溶けてしまった遺体の写真を見た。障害に苦しんでいる人もいる。このような現場の真実は報道されない。会社は作業員がいなくなってしまう事をたいへん怖れている」
 2011年8月には福島第1原発で働く作業員の労働条件について話し合う日弁連シンポジウムが東京都内で行なわれ、調査した弁護士が「東電が作業員に払った日当10万円が何層もの下請け会社の介在で手数料が引かれ、作業員が受け取るときには8,000円になった例があった」と報告した。
  
 この国は、原発労働者が安い賃金で働かざるを得ない環境にわざとしている。高く受け取れば逃げ出すと思っているのだ。保障も最低限にしている。福島県から逃げ出さないように、暮らしを別のところで立て直してもらっては困るからだ。意図的に追い詰めて自ら従わせる。国のやりそうなことだ。
 政府を信じてはならない。新聞、テレビを信じてはいけない。この国は国民を救わない。はっきりと悟るべきだ。

fukushima.jpg 今、私たちの暮らしを命がけで支えているのは福島第一の原発作業員だ。彼らは国に命を捧げた特攻隊員に等しい。この国は国民ばかりか、大恩ある作業員を騙し、世間には命がけの作業員の姿を隠しながら、会社や官僚、政治家の立場確保を図り続けている。おまけに安全宣伝をして停止中の原発再起動を図るという厚かましさ。民主党の仙谷由人政調会長代行に至っては「電力が足りなくて国民が集団自殺する」などとたわけたことをぬかす。

 この様な人間が国民の代表だ。私たちは原発労働者を見捨てる手口の恩恵にあずかってはならない。加担してはならない。私たちは、命がけで私たちを破滅から救っている原発労働者にこそ最高の敬意をはらうべきだ。この国は過去、戦争に行った人々について「侵略戦争をした悪い人たち」と教育してきた。強欲が善という教育をしてきた。強欲でずる賢い官僚組織と政治体制、報道、国民性を作ってきた。
 福島原発の事故直後、原発批判をかわす目的で計画停電をやった事を忘れてはならない。この国は国民を騙すためにいつでも何でもやってしまう。まったく信用に値しない国なのである。

 国を信用してはならない。しかし原発作業員は命がけで私たちを守っている。彼らにこそ私たちは学ぶべきだ。国家に裏切られ、踏みつけにされ、自分の人生や家族を犠牲にして私たちを守ってくれている。彼らの誠に一縷の希望を感じる。この国が本当に立ち直る道は、まず福島第一の作業員に光をあて、国をあげて感謝の態度を表明する事だと思う。
 国と報道が真実を隠すほどに世界からの信用も失われ続ける。出来るだけ早くその事を気づいてもらいたい。
ジャーナリズムがやるべきことは真実を隠して国民から会社や官僚組織を守る事ではない。国民を正義と誠に奮い立たせることだ。福島第一の原発作業員に名誉と称賛と感謝を捧げるべきだ。福島第一は国民の命がかかった戦場なのである。

(つづく)
【竹原 信一】

≪ (14) | (16・前) ≫

<プロフィール>
竹原 信一 (たけはら しんいち)
竹原信一氏前阿久根市長・1959年、鹿児島県生まれ。元航空自衛官(88年退官)。阿久根市議を経て08年、阿久根市長選で初当選。ブログでの情報発信や市職員の給与明細全面公開など数々の"掟破り"の手法で市政改革に取り組んだ。11年、市長リコールにともなう出直し選挙において864票差で敗れ失職。同年、鹿児島県議選に出馬するも落選。


※記事へのご意見はこちら

竹原信一氏・特別寄稿一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル