<夏場に家庭の節電は効果があるか?>
私は夏場ピーク時の家庭の電力消費は少ないので、ほとんど効果がないと言っている。それより90%を消費している事業者に対して節電なり、「電力需給調整契約」なり、「使えば使うほど高くなる電気料金の設定」などしなければ効果がないと。ところが電力会社はそれをしようとしないのだ。だから問題だと言っている。
今回も新たな夏場ピーク時の消費抑制のために、東京電力が新たなメニューを設定したと報じられた。こんな記事だ。
◆『東電、家庭向け電気料金値上げ申請 時間帯別料金体系設定へ (FNN 5月8日)
東京電力は、家庭向け電気料金の値上げ申請について、節電を促すために、夏のピーク時を高くするなど、時間帯別の料金体系を設定することがわかった。
東京電力では、今週中に家庭向け電気料金の値上げを政府に申請する方針だが、節電を促すために、使用量が多い夏の午後1時から4時の時間帯で、割高な料金設定を行うという。
また、家庭向け電気料金は、現在3段階に分かれていて、使用量が増えるごとに単価が上がる仕組みになっているが、東京電力は、平均の値上げ幅およそ10.3%として、そのうち、使用量の少ない利用者に配慮するため、第1段階の値上げ幅を10%弱に抑える方針。
ここまで読めば、この案のおかしな点に気づくだろう。
そう、またもや「家庭だけ」が対象であることだ。「使用量が多い夏の午後1時から4時の時間帯で、割高な料金設定を行なう」としているのに、それが消費量の少ない家庭だけを対象にしていることだ。
ピーク時の家庭の在宅率は、わずか33%しかない。三分の二が不在だ。ピーク時の家庭消費の最大電気製品は、冷蔵庫なのだ。だから家庭が節電したかったら、冷蔵庫の中身を腐らせるのが一番有益になる。現実的なものではないのだ。
<プロフィール>
田中 優 (たなか ゆう)
1957年東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在「未来バンク事業組合」「天然住宅バンク」理事長、「日本国際ボランティアセンター」 「足温ネット」理事、「ap bank」監事、「一般社団 天然住宅」共同代表を務める。現在、立教大学大学院、和光大学大学院、横浜市立大学の 非常勤講師。『シリーズいますぐ考えよう!未来につなぐ資源・環境・エネルギー①~③』(岩崎書店)、『原発に頼らない社会へ』( 武田ランダムハウス)など、著書多数。
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