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となりの新華僑・華人の知恵

孔子直系76代目・孔令傑氏(3)~紙に書けるものは乗り越えられる!
となりの新華僑・華人の知恵
2012年5月11日 07:00

 前回、「情報は集めるだけでなく、自分で分析し、相手の文化が理解できれば、必ず"ウィン・ウィンの関係"を構築できます」という孔氏の言葉をお伝えした。

 では、具体的にどうしたらよいのか。

_ch2.jpg 孔氏は「大事なことは、技術、ビジネスの前に"文化"の壁があることに気づくことです。技術は専門家同士なのでもちろん、経営者同士でも、日中にそんなに違いはありません。

 つまり"紙に書くことができる"ものは日中で大きな差がないのです。中国進出企業の失敗例を聞き、相談を受けていると、原因が技術やビジネスにないことに気づきます。
 しかし、いざ運用段階になると、"文化"的要素が大きく頭をもたげてきます。この壁に、気がつかず、進めた場合は上手くいかないことが多いのです」という。

 日本の大手電気会社の中国の拠点間、および日本本社と中国間におけるネットワークを構築(日本の大手のコミュニケーション会社と競合の上、受注)の仕事例でお話頂いた。

 「この仕事は、"紙に書くことができる"ビジネスそのものは、難しくありませんでした。しかし、実際に運用段階になると、中国各地の状況が様々であり、中央政府、地方政府の考え方も異なり、地域文化も異なるため、メニューに書かれたものはそのままでは運用できないことが判りました。そこで、運用上のポリシーは譲りませんが、手段を複数用意して、検証しながら進めることによって、成功できたのです」という。
 たしかに、日本人経営者の多くは、"文化"の違いは意識せずに、日本国内と同じ感覚で、思い込みで進めてしまうことが多いかも知れない。

 もうひとつ、読者の関心の高い、日本の中小企業の中国進出成功例もお話いただいた。

 「大田区の、高い環境・水処理技術を持つ、中小企業の中国進出を支援させていただいたことがあります。企業規模は大きくありませんでしたが、とてもユニークな水処理技術を持っていました。私は、中国全土で、清華大学などのネットワークを駆使して調査、その提携先に浙江省の年商数十億円の企業を選びました。選定には、さほど時間はかかっておりません。

 ただし、その後、すぐに両者に会ってはいただく方法はとっておりません。私は、候補を絞った段階で、双方経営者に対して、再度詳細なヒアリングを数カ月間にわたって行ないました。その間に、双方経営者に、異文化に対しての理解力を高めていただく狙いもありました。最終的に、両経営者に会っていただきましたが、その場で提携契約が成立しました。現在、双方から感謝されています」

 技術、ビジネスの前に"文化"の壁をと言われると遠回りの気がしてしまうものだ。しかし、それは誤りで、結果的には近道になる。中国に進出を考えている中小企業の経営者の方には、ぜひ参考にしてもらいたいと思う。

(つづく)
【金木 亮憲】

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