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印刷業界、逆風乗り切れるか?~苦境に立つ両雄・大日本印刷、凸版印刷(中)
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2012年5月16日 07:00

<ともに創業100年以上の伝統>
 両社とも、その創業の歴史は、明治にさかのぼる。

clock.jpg 大日本印刷の前進である秀英舎の創業は1876年。「天は自ら助くる者を助く」という言葉でも有名なサミュエル・スマイルズの啓蒙書「改正西国立志編」を印刷。国内初の洋装本を完成し、「学問のすすめ」と並ぶ明治の一大ベストセラーを世に送り出した。印刷技術を発展させるとともに、講談社、新潮社などの出版社と組み、印刷を受注。出版物、雑誌などの創刊ブームを支え、文化のサポート役ともなった。

 凸版印刷は、1888年、明治維新後に、証券印刷、たばこ会社などのパッケージの印刷をいち早くビジネスチャンスと見定めて創業。1908年に活版印刷の分野に照準を合わせ、出版社の躍進とともに成長した。

<印刷を核にしたモノづくり>
 両社ともに第2次世界大戦では、多大なる被害を受けたが、書物の大量発行など需要の高まりに応え、大衆文化を支えてきた。大日本印刷は、戦後、活字による情報のニーズに応え、凸版印刷は復興宝くじの印刷受注なども行なっている。

 ともに高い技術を持つ両社。印刷の範囲に止まらず、印刷技術を生かし、パッケージや建装材など素材を使ったモノづくりにもこだわってきた。大日本印刷は雑誌などの商業印刷をはじめとする印刷技術だけでなく、フレキシブル有機ELの開発、国内初の宇宙日本食用包装材の開発など次々と斬新な手を打ってきた。凸版印刷は、IT化が進んでからも証券・カード部門で商品券などICのセキュリティに強みを持ち、印刷を核にした企画提案力、サービス力を磨いてきた。

 その底にあるのは、紙やさまざまな素材を使って「刻む」ということ。デジタル化が進み、紙への印字の必要性が低くなったとしても、情報を残し、知的財産を守りながら、次に継いでいくというノウハウを持っていることは大きい。

 大日本印刷は、業務利用のスマートフォンなどの情報漏洩を防ぐためのシステム開発を行うなど、IT化に合わせた事業展開を始めている。長年培ってきた印刷技術を既存分野だけでなく、新規事業に生かすことで活路を開いていく。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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