環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、 ワンガリ・マータイ氏は、2005年の来日の際に「もったいない」という日本語に非常に感銘を受け、世界に「もったいない」活動を広げた。「もったいない」という精神が素晴らしいと世界で認められるようになってきているなかで、農業組合法人JAPANクローバーはこの「もったいない」という気持ちで農業に取り組み、無駄のない農業の実現を目指している。
<きっかけは産地偽装、安心して食べられる国内タケノコを>
農業組合法人JAPANクローバーは、タケノコ、山菜などの水煮パック、料理の加工がしやすいような国産下ゆで野菜や、タケノコごはん、山菜ごはんなどのさまざまな商品を提供している(株)クローバー食品(大分県豊後高田市玉津1544-3、鴛海良一社長)の関連法人として設立されている。
2008年頃、牛肉、海産物などの食品偽装が多発。タケノコも安価な中国産タケノコの水煮を国産と偽って販売するメーカーが次々と見つかり、消費者は食品の産地に非常に敏感になった。その際、クローバー食品としてこのままではいけないと、安心して食べられる国産タケノコを自社調達する方法を模索した。
本社(大分県豊後高田市)周辺には、放棄され荒れた竹林が多くあったため、所有者に掛け合い、整備してタケノコを収穫することを目的に竹林を借りた。竹林は根が深く入り込まないために、大雨の際には斜面の竹林全体が滑り落ちるように崩れる。竹林整備は、所有者にとってもメリットがあった。こうしてクローバー食品は、産地が明確にわかるタケノコを手に入れることができた。
<竹林整備は他県でも拡大>
そうして竹林整備を行なっていたところ、大分県が実施していた一村一品運動の対象になることがわかった。そのため、大分県と豊後高田市からの補助金を活用し、切った後の古い竹をチップにする機械を購入。竹チップは、肥料等として利用することが可能なため、3年で償却可能と判断して機械の購入に踏み切った。その後、農業組合法人JAPANクローバーを設立、荒廃竹林を借り、一気に整備を行ない、自社で有機タケノコ生産を拡大していった。
取り組みが拡大してくると、全国的に注目されはじめ、さまざまなところから視察が来るようになった。そこで、荒廃竹林の整備のやり方などをレクチャーし、取れたタケノコをクローバー食品で買い取るようにした。竹林整備のレクチャーを受ける方々は、多少自分でタケノコを掘った経験もあり、素人ではない。そのため、すぐにマスターし、取り組みはジワジワ広がりを見せ、鹿児島や福岡など他県でもクローバーのタケノコが広まりを見せつつある。
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JAPANクローバーは現在、タケノコ以外にも、ごぼうや人参など、ほかの野菜の生産にも取り組んでいる。農家出身ではないため、既存のやり方には囚われず、効率的な生産できる方法を模索している。
たとえば、タケノコの皮も相当な量が発生してしまう。しかし、焼却処分するには量も多いし、お金もかかるのがもったいないと、はじめは牛ふんに混ぜて暫く放置していたという。すると、タケノコの皮が発酵して、牛ふんと一緒に肥料に変わったのだ。それ以来、自分たちがほかの野菜を生産するときの肥料として活用している。
たとえば、クローバー食品は、野菜の加工技術があるため、多少形の悪い野菜であっても、切り方を変えて惣菜や加工食品用として対応する。形の悪いものにも対応できる加工の技術力があるので、JAPANクローバーで生産した野菜、契約農家が生産した野菜はすべて買い取り利用する。そうしたことで、無駄なく生産ができているという。
いずれ、3年間で大きく黒字化することを目指し、さらに品目も増やしながら効率の良い農業を極めていく。
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