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となりの新華僑・華人の知恵

長城コンサルティング(株)・張佶社長(4)~麻婆豆腐とさしみの違いを理解!
となりの新華僑・華人の知恵
2012年6月 5日 13:09

0605syatyou.jpg 張氏は言う。「中国は麻婆豆腐文化、日本はさしみ文化です。このことは、言葉、文化、ビジネス、人間関係さえも理解するときの"キーワード"になります。多くの日本の方は日本文化の延長線上で、中国語を覚えようとするから難しいのです。文化の違いを理解して学習すれば"事半功倍"の効果が得られます」

 麻婆豆腐文化=中国文化(化学反応、相手に合せる文化)とは何か。  張氏の方程式をそのまま書くと混合文化=義=面=ミックス=変革 古為今用、洋為中用、破旧立新、それに反してさしみ文化=日本文化(物理反応、古の基本を守る文化)とは何か。日本文化=礼=線=シンプル=伝統 和魂洋才、和室洋室、混合共存、であるという。

 例えば、豆腐料理を例にとると、「日本料理」では湯豆腐、冷奴でも、醤油、ゆず味噌、生姜等に代表されるように物理反応しか起こしていない。

 一方、「中国料理」の麻婆豆腐は違う。麻婆豆腐と言えば、四川省が有名であるが、実は四川省の豆腐そのものは美味しくない。それに様々な調味料を加え、化学反応をどんどん起こしていくと、最高の味になるというのだ。

 さらに、日本料理は、遡れば、「伊勢神宮」という日本人の心のふるさとがあり、それはゆらぎのないもので、どこにいっても変わらないと考えている。リオデジャネイロでも、ニューヨークでも、ベルリンでも、北京でも、マレーシアでも、シドニーでも、東京と味が変わらない。

 ところが、中国料理は、餃子でも、麻婆豆腐でも、中国内でさえ、その土地によって味が微妙に異なる。四川省は辛いが北京は辛くないとか、広東、瀋陽、西安と酸っぱかったり、甘かったり、塩辛かったり様々だ。わざと違えているのだ。だから、全世界の中国料理がその国の人に人気があるのである。

 面白い話を聞いた。東京で最も辛い、本格的「四川麻婆豆腐」の店は神田にあり、何とシェフは日本人なのだという。四川省出身の中国人の店は、どの店も、中国人の生来のセンスで、日本人の好みに合わせて料理するので辛くないのだ。ところが、四川省で修業した日本人は、日本料理と同じセンスで料理の味を変えてはいけないと思っている。そこで、日本人の多くの人には辛すぎる四川省の料理・味をそのママ、頑なに守ることになる。

 なるほど、とても興味深い。いま、日本人が抱えている問題にも関係して来るかも知れない。「クール・ジャパン」ではなく、「ガラパゴス・ジャパン」になりがちな、日本人の性質はここから来ているのかも知れない。

 張氏の言葉に関する文化論はさすがに面白い。また、別の機会に、今度は、言葉や文化だけでなく、ビジネスや人間関係に関して、その応用編をお聞きしてみたいと思っている。

(了)
【金木 亮憲】

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