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竹原信一氏・特別寄稿

前阿久根市長・竹原信一が語る「ひどすぎる国家のしくみ」(16)~或る中学生との対話(後)
竹原信一氏・特別寄稿
2012年6月18日 07:00


 素晴らしいご意見をありがとうございました。 あの竹原さんにご意見をいただいていると思うと、本当に感無量です。
 ところで、僕は霧島市内の公立中学校へ通っているのですが、今の公立学校の教育は瀕死状態にあります。授業はとにかくスピードが速く、理解していないのに進み続けます。そして、「後は塾で詳しく勉強しなさい」という最悪な言葉を放たれて終わるのです。塾に通っていることを前提に授業を進めているのです。これは本来あるべき公立学校の姿ではありません。マトモな授業をしているのは塾と私立学校だけです。公立学校は私企業に負けたのです。そもそも塾や私立学校は、公立学校ではやりきれない範囲の奥深い勉強をできる環境として誕生したものです。でもそれは、必要最低限のことを公立でできることを前提としているのであって、私企業によって運営されている塾や私立学校が主ではありません。公立は、このような私企業に甘えてしまいました。

tukue.jpg 小中学生の学力低下が叫ばれるこの世のなか、責任は子供たちではなくそれらを運営する国や地方に大きな問題があります。このような現実に文部科学省は目を瞑ってきましたが、最近になって焦るように学習指導要領の大幅改訂を始めました。子供たちは国や地方に振り回されて、意味のわからない、何の意味もない教育をされているのです。これが現役中学生から見た、教育現場の現状です。ぜひとも竹原さんにもこの現実を知っていただいて、物申していただきたい。 

 話は変わりますが、今年は鹿児島にとって変革の年です。鹿児島県知事選と鹿児島市長選を控えています。今後、竹原さんは政界に進まれる予定はないのでしょうか? 市長失職後に県議選へ出馬されて以来、今のところ特に動きがないので少し心配気味でもあります。竹原派の人間は、みんな復帰を信じています。やはりあなたのような人が必要です。答えられる範囲で結構ですので、もし良ければお答えいただけないでしょうか。 
 毎日お忙しいなかご回答ありがとうございます。 本当にあなたとメールができて光栄です。僕の誇りです。
よろしくお願いします。


2月21日、竹原信一から


あなたの洞察力には驚いています。それと表現力も素晴らしい。とても中学生には見えません。こちらこそ感激です。
 授業が、生徒ではなく教師側の都合でやられていることや、教師は生徒の成績ではなく、上司の言いなりであるかどうかで評価されているので成果が出ない状態がずっと続いています。これは硬直化した体質のせいだと思っていました。ところが、良く調べてみると学力低下は国家の意思であるのがわかりました。

 作家であり、第7代文化庁長官、教育課程審議会長である三浦朱門氏は語っています。
 「(前略)学力低下は予測しうる不安と言うか、覚悟しながら教課審をやっとりました。いや、逆に平均学力が下がらないようでは、これからの日本はどうにもならんということです。つまり、できんものはできんままで結構。戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げることばかりに注いできた労力を、できるものを限りなく伸ばすことに振り向ける。百人に1人でいい、やがて彼等が国を引っ張っていきます。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです。(中略)今まで中以上の生徒を放置しすぎた。中以下なら"どうせ俺なんか"で済むところが、なまじ中以上は考える分だけキレてしまう。昨今の17歳問題は、そういうことも原因なんです。(後略)」

 昔から、教育に関わる国家の中枢がこのような考え方なのです。そもそも国家などというものは、強盗や殺人を繰り返して作るモノです。そして、国民が国家に刃向わないように教育をする。大衆が労働者や兵隊以上の学力や洞察力があっては困るのです。国家支配の正当性に疑問を持たない大衆に形だけの主権を与える。それが民主主義です。だから、投票行動が報道で操れる状態にしてあります。

 鹿児島県知事選挙、鹿児島市長選挙、いまのところ出る気になれません。組織がありませんし、報道の餌食にされるだけだという気がします。住民が目覚めなければ転落は止まらない。でも、あなたのような人が増えているのも感じています。もうすこし、真実を知る人の輪が広がるのを待つ必要がありそうです。


(了)

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<プロフィール>
竹原 信一 (たけはら しんいち)
竹原信一氏前阿久根市長・1959年、鹿児島県生まれ。元航空自衛官(88年退官)。阿久根市議を経て08年、阿久根市長選で初当選。ブログでの情報発信や市職員の給与明細全面公開など数々の"掟破り"の手法で市政改革に取り組んだ。11年、市長リコールにともなう出直し選挙において864票差で敗れ失職。同年、鹿児島県議選に出馬するも落選。


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