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脱原発・新エネルギー

資源エネルギー庁が示す「選択肢」への違和感
脱原発・新エネルギー
2012年8月 6日 13:35

 8月3日、福岡商工会議所で「エネルギー・環境に関する選択肢」についての説明会が行なわれた。資源エネルギー庁・田中一成総合政策課需給政策室長を招き、3・11後のエネルギーのあるべき姿に関する3つのシナリオの説明がなされた。3つのシナリオというのは、原発の存続に関するものだ。2030年を区切りとし、そのときの原子力を含むエネルギー源の状態を、原発ゼロシナリオ、原発15%シナリオ、原発20~25%シナリオの3つに分け、それぞれのケースで電気料金がどうなるのか、省エネ、節電をどの程度要求されるかなどが、できる限りリアルに計算され、提示された。

 いずれも確定的なものではなく、それ以外のシナリオ・仮説・提案も随時取り入れたいと各地で説明会や公聴会を開いているのだと言う。このなかのどれがいいか、というものではなく、これをたたき台にして、国民の意見を聴取したいという狙いのようだ。シナリオの詳細については国家戦略室のホームページに掲載されているので、参照していただきたい。なお、日本商工会議所のエネルギーに対する考えも提示されたが、それについては稿を改めさせていただきたいと思う。

 さて、今回の説明会において感じられたのは違和感にほかならなかった。というのも、具体的な数値やシミュレーションを示してはいるが、その哲学がまるで示されなかったからだ。原発はいいものなのか、悪いものなのか。いいもので必要なものなのか、いいものだが必要ないものか、悪いが必要なものなのか、悪い上に必要ないものなのか。その判断材料を国民から広く聴取するという目的もあるのだろうが、シナリオを3つ示したことで、聴取者の意識はそのいずれがベターかというものに偏ってしまった。今必要なのは、3つのシナリオの上位哲学であろう。
 
 加えて言うと、一般論だが、こういった三択を提示されたとき、聴衆は極端を避ける傾向があると言われている。今回の場合ならばゼロシナリオ・20~25%シナリオを避けて15%シナリオに落ち着かせようとする意図があるのかも知れない。ところが、本質はそこにはない。本当に決めるべきは原発を動かすか否かの二択である。もし15%シナリオが選ばれたならば、原発を動かすという判断を下すことになるのである。

 この二択は、より正しく表現するならば「原発を止めることで必ず発生する負担増」と「原発を動かすことで発生する可能性のある生命的リスクと必ず発生する子々孫々への責任転嫁」のいずれを選ぶかというものなのだ。これをごまかさず、正しく表現した上でシナリオを提示してほしい。

 国家戦略室は今月中に行脚の結果をとりまとめ、「革新的エネルギー・環境戦略」を決定するとしている。時間はほとんど残されていないのである。できる限り正確に国民の意識を汲み取っていただきたいと切に願う。

【柳 茂嘉】


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