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脱原発・新エネルギー

省エネルギーと向き合う~今、求められる新しい価値観とテクノロジー(1)
脱原発・新エネルギー
2012年8月11日 07:00

 農業革命、産業革命、IT革命から数えて、エネルギー革命は、4番目の革命であると謳ったドキュメンタリー映画が2010年にドイツで公開された。この作品は、『第4の革命 エネルギー・デモクラシー』といい、ドイツ国内で13万人を超える動員を記録した。同国内におけるエネルギーシフトへの関心の高さがうかがえる。また、日本国内でも、12年7月1日からスタートした再生可能エネルギーの固定価格買取制度で、再生可能エネルギーによる創エネが注目されている。しかし、創エネはエネルギーシフトの一翼にすぎない。創エネと省エネが合わさり連携することで、初めてエネルギーシフトの未来が見えてくる。

<エネルギーの遍歴脱石油・脱原子力へ>
 1988年6月、NASA(アメリカ航空宇宙局)の大気学者であるジェームズ・ハンセン氏が米国議会上院のエネルギー委員会における公聴会に出席し、以下のように証言した。

 「気温と、我々人間が大気中に排出している温室効果ガス(CO2)のあいだには、因果関係が存在している。これは、99%の確率で正しい。また、CO2の増加と気温の上昇は、確実に原因と結果の関係にあり、人類の経済活動が大気を温暖化させて、人類と自然を破滅に追い込んでいる。だから地球環境の安全を保つには経済活動を思い切って抑止させなくてはならない」。

earth.jpg この証言は、翌日から大きくメディアで取り上げられ、今日に至る「地球温暖化=人類の危機」という図式をつくり上げた。地球温暖化が地球規模の社会問題になったきっかけをつくったのが、この証言というわけだ。これにより、当初は太陽光発電や風力発電などが注目されたが、次第にその流れは、原子力発電の推進につながっていく。核燃料を扱うというリスクはあるが、(少なくとも発電時においては)CO2の排出が少ない原発の拡大が後押しされるようになった。原子力発電の利権に群がる、いわゆる"原子力ムラ"の人々が、原発を推進するうえで、「CO2削減」という"免罪符"を手に入れたと言ってもいいだろう。

 しかし、2011年3月11日の東日本大震災にともなって、東京電力・福島第一原発事故が発生。これまで「絶対安全」とされてきた原発の安全神話は脆くも崩れ去り、その危険性が問題視されるようになった。

 再生可能エネルギーの普及が進むドイツでは、福島第一原発の事故をきっかけに一気に脱原発の気運が高まり、もともとは原子力推進派だったアンゲラ・メルケル首相が、政策の転換を決意。自身が中心となって進めていた原発の稼動年数を延長する政策を凍結させた。また、地方議会選挙では、環境主義を信条とする緑の党が躍進。11年5月30日には、2022年までにドイツ国内の原発全17基を閉鎖する方針を示すに至った。日本国内では、事故を起こした福島第一原発を除いては、廃炉こそ決定されていないが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートするなど、エネルギーシフトに向けて動き始めている。

(つづく)
【清水 秀生】

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