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なでしこジャパンの組織力(6)
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2012年8月20日 10:40

<チームになると強くなる日本!?>
 競泳のメドレーリレーで銀メダルを取った松田丈志選手は、「日本のチームはなぜこんなにまとまっているのか?」と外国のメディアから質問され、「難しいですね...。まず仲がいい」と、少し考え込んだ後で、「一人で戦うより、みんなで戦う方が強いということをみんなが知っているから」と答えている。

 ロンドンオリンピックで日本チームが随所に見せた結束力は、日本人の持つ底力のように思える。チームのために「個」を捨て、犠牲にすることができる。チームメイトのためを思って力を出すことで、通常以上の力を出し切った。組織戦になった時に、個人戦以上の力を発揮できるのが、長く、「調和」「協調性」を重んじてきた日本の良さなのではないか。

madesiko_1.jpg かつては、ビジネスにおいても、組織のために、個を捨てることができていた。個を捨てることが組織のためになり、かつ、個の利益につながっていた。高度経済成長期を経て、経済的に成功し、「既得権益」を持つ者たちが出てくると、彼らはその既得権益を個の利益ために守るようになった。「すべての人が均等に組織に対して努力する」というバランスが少し崩れると、権益を受けることの少ない人たちは、「組織のために努力する」のが馬鹿らしくなる。そういう感覚は、どういう組織にも少なからず存在する。既得権益を持っている人たちが、権益を守ってしまうことで、組織の強固さのバランスは崩れ始める。長期的な視点で見ると、握っている権益を守るという行為は、組織のためにならなければ、それぞれの「個」のためにもならない。そのあたりに、現在の日本の企業や団体の抱える組織がうまく機能しない問題点があるように思える。

 今回のオリンピックでは、フェンシングの男子団体、競泳のメドレーリレー、卓球女子団体などが、「チームになると強い日本」を見せた。チームとなり、それぞれの結束力、団結力を発揮し、個人では勝てなかった同じ競技で、世界のトップレベルに通用した。チームとしての組織力を十二分に発揮することで、「行けなかった場所」に到達することに成功した。

 組織のなかで、「目標があり、自分の役割が何かを理解し、その役割のなかで、個の力を最大限発揮することに徹すること」、さらに「連携し、自分の力を出し切り、チームのメンバーの力を活かし切る」ところに、日本人の持つ良さがあるのではないか。
オリンピックは非日常的だが、ビジネスは日常的。日常的な場面で、組織力をどう生かすか。なでしこジャパンやオリンピックでの日本チームがそうであったように、「目標、方向性を同じくする」というところにカギがありそうだ。

【岩下 昌弘】

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