地方自治体の議員や首長経験者などでつくる「自治体議員政策情報センター 虹とみどり」の全国政策研究会。同研究会は、「3.11を経て九州からの発信」と題した講演を、25日と26日の２日間に渡って福岡市東区の県教育会館で開催した。

　初日は、東京電力福島第一原発事故を起こした福島第一原発がある福島県双葉町の井戸川克隆町長が、原発事故や町の現状について講演した。二葉町には、同原発の５号機と６号機があるが、震災前から財政状況は厳しく、７号機および８号機の増設で財政を立て直している最中だったという。

　事故後に政府が進めている除染について、その結果に対しては懐疑的な立場であることを明かしたうえで、町民や隣県も含めた県民の内部被ばくを懸念していると、苦しい胸中を語った。また、「福島では、原発事故について語るのがタブーになりつつある」と話し、「注意喚起のために、内部被ばくに関する話をインタビューなどでしても、マスコミは正確に報じてくれない」と福島の現状を伝えた。

　井戸川町長は、このような事故を繰り返さないためにも、"おまかせ民主主義"から脱却し、主体性を持って行動してほしいと集まった人々に訴えた。

　また、井戸川町長の講演のあとには、山口県知事選を終えたばかりの飯田哲也氏が壇上に立ち、再生可能エネルギー促進についての講演を行なった。同氏は、再生可能エネルギーによる発電率が高いデンマークや、推進事業が成功している長野県などの具体例を挙げ、日本国内での普及方法について自らのビジョンを語った。

　飯田氏は、「再生可能エネルギー普及には、これまでの大規模集中型の発電から、小規模分散型へのシフトが必要不可欠。そのためには、地域単位で、地元の人たちに便益を還元しつつ広めて行くのが好ましい」と話した。

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