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となりの新華僑・華人の知恵

「となりの新華僑・華人の知恵」番外編~ "新"「和僑」のすすめ!(7)
となりの新華僑・華人の知恵
2012年8月27日 07:00

<"新"「和僑」のすすめ!>
kaimaku.jpg 今回の「東北亜高端人才峰会」を通じて、記者は"華僑のネットワーク"というものを強く体験した。同時に、日本の「和僑」という概念をそれとオーバーラップさせてみた。名前が似ているが内容が違うのである。

 どこが違うかというと、「華僑」は、たとえば華人・新華僑となっても母国とのつながりのパイプは太いままだ。

 日本にも「和僑」という言葉は古くからある。一つの定義であるが、多くは『「和僑」とは 日本国外で定住してビジネスなどを行っている日本人』となっている。これではダメなのだ。母国日本と太いパイプが全く見えてこない。

sisatu.jpg 日本人は、海外に優秀な学者、研究者が移住したり、永住したりすると、日本社会から村八分にし、学会などは石さえ投げつけ縁を切ろうとする。これを島国根性と呼ぶのかどうか分からないがどうもおかしいのだ。戻ることを赦さなかったり嫌ったりする。しかし、国内市場がシュリンクすればするほど、必然的に優秀な人材はどんどん海外に出て行き、現地でサクセスストーリーを描くことになる。外国の企業や外国の研究機関、外国の大学に移り、永住するものも増えてくる。その場合、日本国として、今までと同じに、石を投げつけて終わりでいいのだろうか。

 例えば、和僑会というのがある。しかし、これは現地にいる日本人の単なる懇親会の組織に過ぎない。積極的に活動している幹部たちでさえ、本音は自分が島流しになったと感じている。この様に感じさせてしまうのは、彼らが悪いのではなく、手を差し伸べない日本の国家が悪いのである。当事者の会社レベルで解決つく問題とは次元が違う。

 華僑のDNAは面白い。華僑は、色々な理由で海外に出て、きっと多くは生活の為と思うが、何百年の歴史の中で強靭なDNAをつくりあげたと言える。彼らは、華人として外国籍になっても、新華僑として30年、40年外国に定住しても、「永遠に中国人であり、中国の方を向き、中国を支える気持ちを持ち続けている」と言い切る。それに対して、中国政府の方もメインテナンスを怠らない。言い方を変えれば、いい意味で、海外にいる中国人の使い方、利用の仕方が上手い。

s_1.jpg 今までの「和僑」には、日本国主導の"メインテナンス"が欠けるというか全くない。
 自分が島流しになっているという気持があり、石をぶつけられていたら、日本の方を向きようがない。日本の為に、海外からサポートしたい気持ちも起こらない。それではダメだ。

 日本の地方自治体の活性化が叫ばれて久しい。しかし、その目玉が何年経っても、「中国人等外国人の観光勧誘」のような一過性の話では笑い話にもならない。イノベーションは人が起こすものだ。地方都市を「グローバル都市」に変え、地域を開き、海外から直接、多様な才能を持つ人材を日本に呼び戻すことができれば現在の停滞を打破するカンフル剤になる。その為に人材投資をする地方自治体が出てこないのが不思議だ。

(了)
【金木 亮憲】

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