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高島市長!無策なら市財政は破綻します!!(4)~職員給料表『足のばし』の実態
行政
2012年10月 3日 11:20
高島市長へ愛の苦言第4回

 前回は、福岡市の行政職給料表が地方自治法に定める職務給の原則に反しているのではないかとの指摘を行なった。

(1) 給料表の足のばし問題
 委員からその旨は指摘されており、今回は具体的にその内容を検証する。
 以下は自立分権型行財政改革に関する有識者会議第5回の資料1における4ページおよび5ページをベースに筆者が実態を把握するために加工した資料である。

【表1】行政職給料表 人員分布をベースに推定した月額過大支給額

 【表1】を見てほしい。4級(総括主任)には国の最高俸給を超える支給を受けている職員が何と69.1%にも達しており、「足のばし」の実態が見てとれる。国であればキャップがかかる355,900円を超えてなお毎年度昇給し、最終的には416,400円になるまで毎年度昇給していく(係長に昇格しなくとも毎年度4号給ほどがほぼ自動的に昇給することは会議における市当局の発言によって明らかになっている)。
 このことに関する市当局の答弁は以下のとおりである。

 ・福岡市の給料表については国家公務員の俸給表を基本とし、組織規模等を考慮した上で市内民間事業者給与を反映させて策定している。
 ・福岡市の給料表は国に比し、少ない級数で運用しており、おのずとひとつの長く在級することとなっている。長く在級するのでその分昇給機会を一定程度確保することによって職員のモチベーション維持を図っている。従って各級の号給数は国よりも長くなるのは致し方ない。
 ・足のばしは適正な給与水準が保たれていることを前提にそれを職員にどのように配分するかのという問題であり、ラスパイレス指数への影響はほとんどないと考えている。

(2) 特別昇給問題
 さらに、福岡市には55歳となった職員のほぼ全員を特別昇給させる悪しき運用が存在することも明らかになった。
 特別昇給の制度は福岡市職員表彰規則で規定されているもので、永年勤務に精励し、勤務成績が良好な者に表彰を行うこととなっているのであるが、この表彰の方法として「昇給」が規定されているのである。
 つまり、表彰によって基本給が上る、基本給をベースにした退職金が上るというダブルでのおいしい制度なのである。この点、適正な運用によって真に頑張った人のみが表彰され昇給するのであればいいのであるが、直近の平成23年には55歳の人が349人いて、そのうちこの制度に基づいて特別昇給をしたのが326人で93%にものぼっている。ほとんどすべての職員が昇給するように運用しているのである。これもぜひ是正をしなければならない制度である。

(3) 手当
 このほか、手当問題として他市では既に廃止されている住宅持家手当や、他市に比べて手厚い扶養手当など様々な市職員への優遇策が明らかとなっている。
 市はこれらについて見直す方針を示しているが、その具体的内容・時期については明らかにしていない。

【表2】福岡市職員への手当(抜粋)

 このように、福岡市職員のおいしい給与制度が次々に明らかになっている。市民感覚からは納得できるか否かについてはそれぞれの価値観によるものと考えるが、少なくともこの財政状況が厳しい福岡市市政においても市民が納得と共感をえることができるようにきちんとした対応をお願いしたい。

(つづく)

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