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中国、習近平新体制でどう変わる(4)
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2012年12月 3日 07:00

<崩壊か、暴走か>
syanhai.jpg 胡錦涛体制では、経済最優先で、国内で調和が取れていないから「調和(和諧)社会」を目指すとの目標を掲げていたが、それとはまったく逆行してしまった。上海、北京の都市部と、地方都市の格差は広がるばかり。
 しかし、この5カ月ほどで日本など海外からの直接投資は減少し、経済成長に行き詰まりを見せている。
 行き詰まった先にどこに行くかというと、拡張策。海洋国家を目指す戦略を打ち出している。13億人の国民の「利」が唯一、一致するのが、外への拡張で、尖閣諸島だけではなく、フィリピン、ベトナムの南沙諸島にも手を伸ばしている。団結させるために国策として「反日」を叫ぶ。国内に問題があるからと言って、矛先を尖閣諸島などの日本に向けられる。日本側も冷静で、シビアな対応を迫られる。

<政財癒着の利権構造を崩せるか>
 習政権が、解決しなければならない問題に、中国共産党のビジネスへの介入、癒着、腐敗の問題がある。
 私営企業が、仮にある分野でのビジネスに参入できたとしても、その分野で幅を利かせている国営企業や共産党に近い企業にはねのけられる。国営企業と私営企業の間では、公平な訴訟ができないなどの課題がある。継続的に経済成長していくためには、健全なビジネスの競争環境を整えることが条件になる。

 中国のビジネス情勢に詳しいある商社マンは、「この10年、共産党寄りの経営者は育ったが、欧米や日本と互角に戦っていける民間の優秀な経営者は育っていないのではないか。国営企業を優遇するばかりで、伸びようとする芽を摘んだ。この数年でどう変われるか」と、中国の抱える政界と財界の癒着・腐敗の問題を指摘した。

 所得格差を解消し、大衆の不満の増大を防ぐには、共産党寄りの企業ばかりが利益を得るようなビジネス構造を打破し、できるかぎり多くの大衆が、経済発展の恩恵を受けることができるシステムへの移行が必須となってくる。経済的な部分とともに、政治的にも、中国共産党の経済に介入する利権構造を崩すことが必要になってくる。しかし、江沢民元総書記の影響下で、習近平総書記が断行できるのか。
 前体制からさまざまな負の遺産も受け継ぐことになる習近平政権。共産党内部に渦巻く権力闘争だけでなく、もはや無視できない4億人を越えると言われるネットユーザー、大衆との対話もしていかなければならない。難しいかじ取りを迫られる。

(了)
【岩下 昌弘】

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