ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

政治

山崎広太郎元福岡市長が語る(1)~ポピュリズムは主権者意識の欠如だ
政治
2012年12月26日 11:34

 12月16日執行の第46回衆議院議員総選挙は、自民党が単独過半数241議席を大幅に上回る294議席を獲得。公明党31議席とあわせて325議席と、参議院で法案が否決されても衆議院での再可決が可能な3分の2以上を確保。民主党は獲得した議席は57議席と大惨敗。注目された第3極では、日本維新の会が第3党に躍進した。12月26日、第2次安倍内閣が発足するが、最近の政治の大衆迎合化を憂う声が方々で聞かれる。山崎広太郎元福岡市長はその一人だ。「ポピュリズムは日本の政治の危機」だと憂慮する同氏の政治論を5回にわたってお伝えする。

<メディアに流されやすい国民性>
 「このままいくと自民党に流れていくでしょうね。勝ち馬に乗るというか、どこの国でも本来ならば反作用が働くはずですが...。流されやすい国民性だと思います」

yamasaki.jpg 衆院選さなかの12月上旬、福岡市南区にある山崎広太郎氏のオフィスを訪ね、約1時間半、話をうかがった。同氏がその冒頭、憂いを持った表情で語り始めたのが、このことだった。11月30日のNET-IB「プレゼント企画」としてこれまでの政治家人生での経験を踏まえて出版した『紙一重の民主主義』(PHPパブリッシング)を紹介した。同書でも「主権者意識が希薄である」と問題提起している。
 11月に一度、会食をともにさせていただきつつ、話をうかがった際は、著書と、福岡市長時代の取組みについての話がほとんどだった。今回は、総選挙の真っただ中でもあり、長年の政治家人生を踏まえて、総選挙の動向をどう見るかに関心を持った。

 記者は政治専任ではないが、担当業種柄、建設関係の経営者とお会いすることが多い。世間話のなかで、きまって選挙の動向に及んだ。

 「今度の選挙はやっぱり自民党ですかねえ」と期待感をもって話題を振ってくる。

 建設業者にとっては、公共事業を減らす民主党より政権公約に推進を掲げた自民党のほうがいいのはわかる。明確な信条があって支持政党があるのは一向に構わない。それは思想信条の自由で民主主義の基本だ。ただ、猫も杓子も目先の利益を追い求め、右往左往するのはどうなのか。山崎氏が指摘するように、日本全体がメディアの流す情報に煽られることには、違和感が強く感じられてならなかった。

 今回、各種世論調査やメディアの報道では序盤から「自民党圧勝」の勢いだと報じられ、「バスに乗り遅れるな」とばかりに、業界団体も民主党支持から再び自民党に回帰していった。また一方で、第三極として、橋下徹、石原慎太郎両氏らの日本維新の会、嘉田由紀子滋賀県知事が代表を務める日本未来の党など新たな勢力の台頭もあった。橋下氏の手法もポピュリズム的で、仮想敵を設定し、大衆を扇動するのがうまい。「郵政民営化是か非か」で抵抗勢力との戦いを演出したかつての小泉首相を髣髴とさせられる。

 インタビューから1週間後、総選挙は山崎広太郎氏の憂いどおりの結果となった――。

 「今の国民の目には、民主主義政治には、機能性がないように思われてしまっている。しかし、こういう時代だからこそ、なお、いっそう民主主義を高らかに掲げないといけない。じつは民主主義こそパワフルなのです」

 戦後60年が経過し、戦後教育のなかで、日本国憲法の精神に基づいて主権在民の意識が根付くよう徹底されてきたはずだ。それなのになぜ、主権者意識を欠いたままなのか。

 山崎氏によれば、自然にそうなったのではないという。

 自然にそうなったのではないというならば、いったい誰がそのことを望んでいるのか。

 山崎氏は「天皇制を守りたい国家(統治機構としての)であり、一人一人の主権者としての目覚めを望まない官僚の存在がある」と指摘する。

 そのことはタブー視されてきた。故意にメディアは避けてきたのではないだろうか。本連載第2回ではその核心に踏み込んでいきたい。

(つづく)
【近藤 将勝】

| (2) ≫


※記事へのご意見はこちら

政治一覧
濱口和久「本気の安保論」
2013年1月31日 07:00
濱口和久「本気の安保論」
2013年1月30日 10:26
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル