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「博多帯」vs「博多織」裁判結果について胸中を聞く~博多織工業組合・寺嶋貞夫理事長(後)
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2013年1月 8日 07:00

 12月10日、昨年4月に提起された博多織工業組合(福岡市博多区、寺嶋貞夫理事長)を原告、日本和装ホールディングス(株)(東京都千代田区、吉田重久社長)を被告とする、「博多帯」による「博多織」の商標権侵害などをめぐる裁判は、日本和装HDの勝訴という結果となった。ともに「博多」への熱き想い、「博多織」の伝統文化を失いたくないという気持ちを抱いているがゆえに、衝突してしまった結果だが、今回の裁判結果について、再び両者にその胸中を語っていただいた。

 ――博多織を伝統として残し、かつ技術を後世に継ぐために、吉田社長はあえて現在の(株)はかた匠工芸として「博多帯」を生産しているとおっしゃっています。

 寺嶋 「博多織」は770年の歴史があり、地域の皆さんに周知された伝統産業です。それを「博多帯」という呼称を認めれば、紛らわしくなるのは当然だと考えています。先方は、ほかにも「博多織物大学」など複数の商標権を申請しています。このこと自体、おかしいでしょう。そのため、我々の方でもできうる限り商標権を取得しました。
 こちらは「博多織デベロップメントカレッジ」という博多織の学校を、いろいろな企業様の協力のもとNPO法人で運営しており、常時20名近くの技術者を育成しています。あちらの学校は商売上の戦略なのでしょうが、我々は純粋に後継者を育てたいのです。こうしたことを消費者の方が混同し、誤解を生まないか懸念しています。

 吉田さんは言っていることとやっていることが全然違うなと、私は感じています。先方に言われなくても、博多織業界はどんどん変わっておりますし、もっと大局的なものの考え方でやっております。

110623_hakataori.jpg 博多織市場は、10数年前と比べて良くなってきていると思います。雑貨などの2次産業のアイテムも500以上に増えています。私は、伝統は産業として成り立つことも大事だと思っていますが、やはり後世に伝えるにあたっては道徳を守っていくことがもっと大切だと考えています。消費者ニーズが多様化するなかで、消費者の方々に伝統産業そのものを理解していただく努力も必要なのです。
 2011年4月、櫛田神社の横に福岡市の「はかた伝統工芸館」が開館しましたが、それだけ行政側も伝統産業の育成に力を入れているということです。売ってなんぼ、という一企業の考えもわからなくはないですが、やはり"心"というものを大切にしなければいけません。

 ――吉田社長は、組合にさえ入れていただければ、いつでも「博多帯」の呼称をやめると明言しております。

 寺嶋 我々は、何もかもいけないとは思っていません。私利私欲だけでなく、きちんとした態度を示してもらえれば、絶対に組合には入れないというわけではありません。もう少し先方の気持ちが変わって、理事の皆さんが納得できるようになれば良いのですが。
 私が吉田さんを好きとか嫌いとか、そういう問題ではないのです。09年に吉田さんが匠工芸買収と組合加入の件で来たとき、「何を考えているのか。今はそんなことをしている場合ではないだろう」と言いました。その時私は(株)後藤が倒産し、2次被害が起きないか頭を痛めているときだったのです。
 先方から話し合いたいという申し出があれば、我々はいつでも話し合いの場を設けるつもりです。我々からお願いする必要もありませんし、来るものを拒む必要もありませんから。むしろ堂々と、博多織工業組合の見解を吉田さんにきちんと伝えたいなと思っております。

(了)
【文・構成:大根田 康介】

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