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【特集・飯塚】生命情報の活用が飯塚を変える。医工学連携がもたらす可能性(1)
自立する地域社会
2013年1月21日 07:00
九州工業大学情報工学部長 延山英沢 氏
バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター長 倉田博之 氏

 2012年4月、九州工業大学は飯塚市に「バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター」を開設した。その背景には、飯塚市、飯塚病院と同大学の3者が連携して推し進める「医工学連携」の取り組みがある。今回、情報工学部長の延山英沢氏と本センター長の倉田博之氏に、医工学連携の展望と課題について話を聞いた。

<医療への高い関心が背景に>
 ――医工学連携がe-ZUKAトライバレー構想のなかで持ちあがり、現在始まったばかりですが、九工大さんが関わるに至った経緯についてお話しください。

nobuyama_1.jpg 延山 九州工業大学情報工学部は設立26年になります。地域の方々と一緒に日本全体にとって役立つ大学にしていきたいという思いで、情報工学をベースにしたベンチャー企業と一体となって地域のまちおこしをしてきました。そして2012年4月、医工学連携というかたちで「バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター」を開所したことで、日本に向けた情報発信がより具体的にできるようになりました。まずは実績を着実に積み重ねていくことが大事だと思います。
 倉田先生が所属している生命情報工学科には、この分野に興味を持っている学生も多いですし、タイムリーなセンターになると思います。

 倉田 私は2000年にこちらへ赴任し、当初から生命情報、システム生物学の研究をしておりました。情報工学部のなかに「バイオアルゴリズムプロジェクト」を、主に生命を情報とシステムの観点で理解し世の中に役立つ研究をする、という活動をしてきました。
kurata_1.jpg 今回、飯塚市と飯塚病院と情報工学部の3者連携の条件が整い、本格的に生命情報を医学という応用分野で活用しようということになりました。これまでも、たとえば産業医科大学さんとは研究者の交換を行なうなど、他の医学部や病院と連携する努力はしてきておりました。
 我々は、飯塚や北九州という地域だけでなく、アジアに向けての発信も考えています。2013年はシンガポール、韓国、台湾の先生を飯塚にお呼びして国際シンポジウムを開催します。今の世界的な時代の流れは、医学系に向かう傾向が強まっています。飯塚市は病院の数自体も多く大規模な病院もあることから、もともと行政や地域の関心も高く、また飯塚病院の鮎川勝彦副院長も「バイオデザイン」というものを提唱されており、本学ともっと仕事をしたいとおっしゃってくれています。

 延山 開所式では、定員200名の会場が満員となり、驚くとともに地域の方々の関心の高さをうかがうことができました。

 ――筑豊地区の政財界あげて、この医工学連携事業に期待が寄せられているのですね。

(つづく)
【聞き手、文・構成:大根田 康介】

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<プロフィール>
nobuyama_pl.jpg延山 英沢(のぶやま・えいたく)
1983年、東京大学工学部計数工学科卒業。1988年、東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了。1991年、九州工業大学情報工学部制御システム工学科助教授。2001年同教授。2008年より、九州工業大学大学院情報工学研究院システム創成情報工学研究系教授を、2012年、同情報工学部長に就任。

<プロフィール>
kurata_pl.jpg倉田 博之(くらた・ひろゆき)
1988年、東京大学工学部化学工学科卒業。1996年、化学工学会玉置明善賞受賞。2000年より九州工業大学情報工学部生物化学システム工学科助教授。2006年、同大学院情報工学研究院生命情報工学研究系教授。2012年、同大学バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター長に就任。


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