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【特集・飯塚】生命情報の活用が飯塚を変える。医工学連携がもたらす可能性(3)
自立する地域社会
2013年1月23日 07:00
九州工業大学情報工学部長 延山英沢 氏
バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター長 倉田博之 氏

 2012年4月、九州工業大学は飯塚市に「バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター」を開設した。その背景には、飯塚市、飯塚病院と同大学の3者が連携して推し進める「医工学連携」の取り組みがある。今回、情報工学部長の延山英沢氏と本センター長の倉田博之氏に、医工学連携の展望と課題について話を聞いた。

<教育のあり方を考える>
 ――飯塚市の経営者の方たちに話を聞くと、口々に「飯塚は教育の環境がまだまだ不足している」という声が聞かれます。「誇れるまちづくり」における教育の重要さを改めて感じました。

nobuyama_1.jpg 延山 教育という点に関しては、我々は学生をいかに育てるかという点で昔よりもかなり力を入れています。「最近の学生はダメだ」と言う人が多いのですが、私は学生にやる気がまったくないとは思いません。むしろ、こちらが少し後押しすれば、すぐ行動に移す学生はたくさんいます。そうした評価があるのは、今は何でもそろっているから"何をすれば良いのか見つけるのが難しい時代"だからだと言えるのかもしれません。

 飯塚キャンパスには、授業や自己学習に使えるグループワーク向け教室の「MILAiS(ミライズ)」というものがあります。放課後には、学生たちがそこに集まっていろいろ話し合っています。そこでは自然にグループができ、そのなかからコンテストなどにも積極的に参加する学生も増えてきました。ちょっとだけヒントを与えれば、学生たちはどんどんやりますから、我々はそういう環境をつくる必要があります。

kurata_1.jpg その一環として、「国際先端情報科学者養成プログラム(IIFプログラム)」をつくり、毎年各学科から5~6名ずつ希望者を集め、グローバル人材の育成を行なっています。このプログラムでは、1年生から留学しますが、普通は心配だからグループを先生が引率して行くというイメージかもしれません。しかしこのプログラムでは、申し込みの段階から帰国までをすべて自分1人で行なってもらいます。希望者もかなり多く、留学先から帰ってきたときには学生は見違えるほど成長しています。そうしたきっかけづくりが大切ですし、もっと増やしていきたいと考えています。

 地域の方との結びつきはもちろんですが、「我々は日本のために何ができるか」そして「何をすれば日本で中心的な役割を果たせるのか」という観点が常に欠かせません。情報工学部で、飯塚から九州・山口地方の若者をいかに日本・世界に役立つ人材に育てられるかが大事です。

 私はもともと東京生まれで、31歳のときにこちらへ赴任して20年以上経ちますが、こちらの学生は素直で、すばらしい原石がたくさんあります。そういう意味では伸びる可能性のある学生がたくさんいますから、それをいかに磨くかが大事です。

(つづく)
【聞き手、文・構成:大根田 康介】

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<プロフィール>
nobuyama_pl.jpg延山 英沢(のぶやま・えいたく)
1983年、東京大学工学部計数工学科卒業。1988年、東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了。1991年、九州工業大学情報工学部制御システム工学科助教授。2001年同教授。2008年より、九州工業大学大学院情報工学研究院システム創成情報工学研究系教授を、2012年、同情報工学部長に就任。

<プロフィール>
kurata_pl.jpg倉田 博之(くらた・ひろゆき)
1988年、東京大学工学部化学工学科卒業。1996年、化学工学会玉置明善賞受賞。2000年より九州工業大学情報工学部生物化学システム工学科助教授。2006年、同大学院情報工学研究院生命情報工学研究系教授。2012年、同大学バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター長に就任。


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