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「電力供給に余裕なし」とは言うものの・・・
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2013年2月 8日 12:09

「私たちは節電をお願いしているのです。電力に余裕があるなどとは到底言えません」(九電関係者)
 2013年2月。いよいよ冬もピークを過ぎつつあるなか、一昨年の今頃ならば考えられなかったような状況が続いている。原発の停止だ。九州にある原発6基はいずれも電気を起こしていない。1年を通じて原発がない状況は久しく経験していないため、電力の供給力に対しては大きな懸念を持って国民全体が注視していた。
 昨夏は需要に対する供給力不足が指摘され、原発再稼働の必要性が声高に叫ばれた。実際、大飯原発は再稼働することとなったのだが、結果から見れば必要なかったと言われている。九州では賢明にも原発を安易に再稼働することはなかったが、やはり電力需要が供給能力を超えることはなかった。

kyuden.jpg 今冬も電力需要は供給能力の8割~9割前半におさまっており、安定した供給状況が続いている。その点について、九電に問い合わせた結果が先のコメントである。九電サイドは安定して供給できているとは考えていないのだ。つまり、言い分は「九電は節電をお願いしていて、需要家の方々がそれに応じてくれている。そのおかげで何とか電力を供給できている」ということなのである。

 「実に謙虚な姿勢だ、あっぱれだ」と結論付けるのは早計かも知れない。節電に協力してくれているということは、節電しなければ電力は足りていない、つまり本来的には電力は足りていない、と言い換えることができる。電力が不足していなければ原発再稼働の道義的理由づけができなくなってしまうとも解釈することができる。「電気は十分に足りていますが、利益をあげたいので原発を動かしたいのです」という本心を、電気が足りないからという建前で隠しているのではないか。

 売るほどに赤字が増す札束発電、もとい火力発電に頼っている現状は、利益を上げる会社としては失格である。したがって、原発で黒字体質に戻したいところだが、あの大事故の後だ。一私企業の利益と国民の生命・生活を天秤にかけるのか?という声が上がることは間違いなかろう。そこで冒頭のコメントになったのではないか、と勘繰ってしまうのだ。

 節電のおかげだろうが何だろうが、供給力を需要が上回っていないことは事実だ。大規模停電も起こっていない。今後、節電がより進めば、電力の需要を満たすために原発を再稼働するというロジックは完全に崩れるだろう。一企業の利益のために国民の生命・生活を質にとるのは、どう考えても納得がいかない。原発と電力会社と国民生活。未来のためのベストバランスを考える時期に来ている。そろそろ腹を割った本音の議論をすべきではなかろうか。

【柳 茂嘉】


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