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仁義なき北九州市地区の金融競争~相次ぐ新店舗出店計画
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2013年3月21日 13:22

 山口銀行の九州地区の営業を継承して新設された北九州銀行(北九州市小倉北区堺町:加藤敏雄頭取)が2011年10月3日に開業して、1年半を経過しようとしている。
 その間北九州市および周辺地域では北九州銀行の新規出店を迎え撃つべく、福岡銀行、西日本シティ銀行も着々と域内の営業基盤の強化に乗り出しており、三つ巴のシェア争いは当面目が離せない状況となっている。

fukugin_kita.jpg ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)は北九州地区での営業強化を図るため、旧北九州本部および北九州営業部が入居していたビルの建て替えに着手。平成23年6月13日(月)より、向かいの毎日西部会館の1、2階で仮店舗営業をしていたが、今月18日、拡張した旧店舗跡地に北九州本社ビル(北九州市小倉北区)が完成し開業した。
 拡張した新ビルは、地上7階、地下1階、延べ床面積は約1万平方メートルで建て替え前の約2倍。中には福岡銀行の北九州本部と北九州営業部が入居。営業態勢は現状の計130人体制でスタートするが、谷社長は「北九州本部と地区内の営業店とが一体となってきめ細やかな営業を推進し、プレゼンス(存在感)を高めていきたい。展開によっては人員も増やす」と、北九州銀行の攻勢を意識しながら抱負を語った。

fukugin_kita2.jpg 東京では珍しくないが、新ビル1階にはカフェ(カフェフアデイふくぎん北九州)が併設されており、新しい店舗展開に注目が集まっている。

 福岡銀行は2月18日、旧店舗跡地に行橋支店を新築オープンしており、18日の北九州本部ビルの開業に続き、3月25日(月)にひびきの支店(北九州市若松区)を新たに開設し、営業を開始することにしている。ひびきの支店開設は、福岡銀行の中期経営計画のABCプラン(平成22年度~24年度)における、4店舗目最後の新規出店となる。

 一方北九州銀行も同日、北九州空港があり自動車産業が集積し、将来物流拠点として有望な福岡県苅田町に苅田支店をオープンしたため、他の金融機関も同地区の地盤固めに躍起になっている。苅田町への進出にあたり加藤敏雄頭取は「北九州銀行の浸透度はまだ十分とはいえないが、時間をかけて努力していけば認知度は高まる」と、将来の展望は明るいと抱負を語った。
 西日本シティ銀行(福岡市)や福岡ひびき信用金庫、田川信用金庫、遠賀信用金庫も、北九州銀行の積極的な新設店舗の展開に神経を尖らせており、市内およびその周辺地区を巻き込んだ顧客争奪戦が一段と激化しそうだ。

fukugin_1.jpg 北九州地区の1月末時点の貸出金シェアは、福岡銀行27・5%、西日本シティ銀行26・8%、北九州銀行11・7%となっている。
 ある関係者は、「昨年度まで西日本シティ銀行のシェアが福銀を上回っていたが、この一年で福岡銀行が逆転しトップになった。福岡銀行は大手企業との太いパイプを活かした営業活動に定評があり、一方西日本シティ銀行は中小企業取引に強い特色を前面に打ち出し、両行ともその営業地盤は強固なものを持っており、むしろ両行のシェア争いの方が熾烈になっている。新設して1年半になる北九州銀行ではあるが、福岡銀行と西日本シティ銀行の融資競争の煽りを受けて、シェアは余り上がっていない。昔は山口銀行の預金を使って収支を度外視した低利の融資攻勢をかけ、他行肩代わりをしてシェアを伸ばして来たが、今は北九州銀行として自前の独立採算制度を取らざるを得ず、金利競争よりも収益重視になっている。そのためむしろ福岡銀行や西日本シティ銀行の攻勢を受けて防戦していると聞く。その大きな理由は、北九州銀行は新規出店に中堅行員を充てるため、既存顧客の管理する人材が不足して取引が疎遠になったり、他行に肩代わりを受ける悪循環に陥っているからだと言う。

 そのため北九州銀行の貸出金のシェアが、以前の山口銀行のシェアと比べてわずかしか増えていないのは北九州地区のみならず、九州各県に広がる支店も他行の攻勢を受けて厳しい状況になっているのではないか」と、分析してみせた。

 またその関係者は、「たとえ地銀同士現場は競争していても、トップ同士が角を突き合わすことはしない。今回福岡銀行が北九州の拠点である北九州本部の建て替えをしてオープンする同じ日の3月18日に、北九州銀行が苅田支店をオープンしたのだが、普通は考えられないことだ。確かに期末の決算月でもありギリギリの日程かもしれないが、日程調整をするなり、もう少し配慮が必要ではなかったかと思う。同じ日にオープンすればマスコミの注目度はどうしても福銀の新ビルに集まる。新ビルのオープンに出席したふくおかFGの谷社長、かたや北九州銀行苅田支店のオープンに出席したやまぐちFGの福田社長、店舗の大きさから見て、マスコミの軍配は福岡銀行に上がった」と、そっと耳打ちするように言った。

 北九州地区の金融競争の影響は、山口県にも広がっている。西日本シティ銀行も「北九州は重要地域」として一歩も引かない構えを見せており、同行は山口銀行の本店(下関市)のお膝元にある旧店舗を建て替え中で、4月15日に下関支店を新築開業する。福岡銀行も5年前の2008年春に下関支店を建て替え新築オープンしており、続いて1998年に撤退した宇部支店を2010年12月に九州親和銀行宇部支店跡の店舗で再復活。翌年8月29日(月)に、旧宇部支店跡地に新築移転。山口県内には福岡銀行、西日本シティ銀行とも下関支店、宇部支店を開設しており、県境を越えた競争も激しさを増している。

【北山 譲】


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