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風力発電を大きく変える小さな球体(1)~(社)環境技術振興協会
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2013年4月17日 14:03

furyokuhatuden.jpg 自然エネルギー利用の拡大が、脱化石燃料、脱原発への第一歩。太陽光、洋上風力などによる発電が徐々に普及しているが、まだまだ課題も残っている。そんななか、一般社団法人 環境技術振興協会の相原邦彦理事長らによる新世代型の小型風力発電機の開発が、実用化に向けて着々と進んでいる。
 いわゆる、風車型の従来の発電機の多くは、風速12メートル程度で翼の回転数が1分間に300回転に達し、設計定格の発電量が得られるが、小型では風速6メートル程度の風で100回転に達し、有効な発電量が得られる。地上や市街地に吹く風でも電気を起こすことが可能だ。球体形の回転翼が風を取り込んで電気を起こす。実際の風で実証実験を行ない、この秋にもデビューする見込みであり、まずは自治体の庁舎や体育館など、公共施設での設置を目指す。そのほかにもビルの屋上、鉄道の高架下、携帯電話の電波塔など考えられる設置先は多い。そのエネルギー変換効率は約45%。風さえあれば昼夜関係なく発電可能な小型の回転翼には、エネルギー事情を変えるだけの大きな可能性が秘められている。

<奇想天外な球体の回転翼>
 工学の専門家から「回らない」と言われた球体の羽が回った。従来の風力発電機のイメージとはかけ離れた球体の小型風力発電機は、ユニットフレームのなかに、回転翼を設置し、上下の支点と回転軸で支えて風を取り込んで回す。「形は奇想天外だが、どの羽よりも回る」と、相原氏。試行錯誤の末に行きついた羽は、日本の技術の結晶だ。

 3年前、経産省から「市街地に吹く風で電気を作れないか。2~6メートルの風でも有効な発電量が得られるものがほしい」との話を持ちかけられ、環境技術振興協会の相原理事長らは開発に着手した。工学、空力、回転体の専門技術を有する村上商会などとともに、試作、考案を重ね、球体の羽に行きついた。

 形が決まるまでに長い月日を要した。風車の形、プロペラの形、パドル式、セルウイング式などとさまざまな形で実験し、試行錯誤を重ねた。そして断面を鳥の羽にヒントを得て、全体でユニットを組み、球体の回転翼が生まれた。相原氏は、「さまざまな形を試して、ふるいにかけて残ったのが、今の球体の形。ここまでの風洞実験で、風のエネルギーを回転に変える形としては、この球体、この羽の右に出るものはない」と、自負する。実用化に向けて、すでに機械による風洞実験を終え、実際に吹く生の風で実証実験を行なう段階に入った。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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