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「維新銀行 第三部 クーデター」~第2章 クーデター当日(43)
経済小説
2013年5月 7日 07:00

<取締役会議(4)>
 続いて取締役会議で「谷野頭取交代劇」に向けて攻勢に立った守旧派の人物像を、今日と明日の2回に分けて紹介していきます。

(3)守旧派(4名)
・谷本亮二相談役(守旧派の総帥)
S大学院卒:絹田周作頭取より三顧の礼を遇されて、維新銀行に転籍し組合対策の責任者となり、後に取締役本店長、常務、専務を歴任。植木頭取から2度役員退任を迫られるも、クーデター未遂事件により苦境を脱し、1992年6月頭取に就任。10年間頭取に君臨し余力を残して相談役となる。後継に栗野和男会長、谷野銀次郎頭取を指名するも、その蜜月は長続きせず「谷野頭取交代劇」(クーデター)を指揮する。2004年5月21日に開催された経営会議にオブザーバーとして出席し、議場内に無言の圧力をかけて牽制。専務の沢谷に谷野頭取の再任拒否の動議を出させ、守旧派と改革派が展開する「谷野頭取罷免」の議論を静かに見守る態度をとる。

・栗野和男代表取締役会長(取締役会議議長)
谷本と同窓のS大卒。谷本が本店営業部の副支店長の時に山上の保険勧誘に協力。谷本の信頼を得て腹心となる。谷本に取締役候補の推薦を受けるが、存命中の植木会長が最後に取締役に指名した谷野に敗れた。その翌年再指名を受けて取締役に就任。谷本から外部との交渉能力の腕を買われ代表取締役会長に就任するが、やがて谷野頭取とそりが合わなくなり反目するようになる。会長に就任した翌年8月、左足が動かなくなる「筋委縮性側索硬化症」と診断され、厚生会病院に長期入院することになり一期2年での退任を決意。谷野頭取罷免の経営会議・取締役会議に松葉杖を突く異様な姿で出席。取締役会議では議長として表面上は中立の立場を装うが、谷野頭取罷免へと密かに議事を誘導していく。

・沢谷一志専務取締役(東南支店長)
第14代組合副委員長(高卒) 山上の保険勧誘を積極的に協力したことから谷本頭取に認められ、高卒初の取締役に抜擢される。谷本相談役の指示に従って「谷野頭取交代劇」では主導的な役割を果たす。経営会議やその後に開催された取締役会議で専務取締役の立場で「谷野頭取の再任拒否」の動議を提出し、谷野頭取罷免の急先鋒の論戦を展開する。

・吉沢忠常務取締役(西京支店長)
第12代組合の書記長(S大卒) 山上の保険勧誘や、谷本が営業本部長時代に営業推進部の課長として谷本を献身的にサポートしたことが認められ、取締役に抜擢される。改革派の石野裕士と西部高校の同級生。石野より1年遅れて維新銀行入行。経営会議での発言が谷本相談役に認められ、クーデター成功後に常務から専務取締役西京支店長に昇格した。

(つづく)
【北山 譲】

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※この作品はフィクションであり、登場する企業、団体、人物設定等については特定したものでありません。


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