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最適を考えジャパンブランドを創る バルコス代表 山本敬氏(3)
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2013年6月 6日 07:00

 鳥取発の純日本製高級鞄の挑戦―。伊勢丹新宿店の"顔"とも言える1階の高級バッグ売場で、海外ラグジュアリーバッグのなかに、「BARCOS J LINE」が肩を並べている。鳥取に本社を構える(株)バルコスは、このラインで"ジャパンブランド"の確立を目指している。この取り組みについて、同社代表取締役の山本敬氏に話を聞いた。

<開発途上国での生産強化と究極の日本製の確立>
 ――生産拠点としての海外を、どのようにお考えですか。

 山本敬氏(以下、山本) 生産拠点としての海外は、ケースバイケースだと思っています。生産拠点として見た場合、中国、バングラデシュ、ベトナムなどは安くつくるための手段です。ですから、マーケットをどこにするかということで、大きく変わってきます。現在、多品種、小ロット、小スパンでクイックにできるのは中国ではないでしょうか。バッグに使用する素材も中国が世界で一番そろっています。レザーもポリウレタンも中国はかなり大きなマーケットで、世界中から素材が集まります。素材がそろっているので、弊社は中国でサンプル工場をつくりました。

bag4.jpg 1つのアイテムを安く、大量生産にということになればバングラデシュがいいでしょう。ただし、副資材などが何もないので、必要な分だけ送ることになります。ベトナムで財布をつくりましたが、中国で素材を全部集めて、ベトナムに送り生産しました。バングラデシュも素材を送らないといけないのですが、ベトナムだと中国から陸路で素材を送れます。バングラデシュの人件費はベトナムよりも安いですが、輸送費が高くなってしまいます。
 しかし、バングラデシュが経済成長してくれば、じゃあ次はアフリカに進出するかという話になってきます。これは果たして正しいのかという疑問は感じています。

 ――疑問というのは。

 山本 チャイナリスクを考慮しての、「チャイナ+ワン」です。しかし、中国の次に、ベトナムやバングラデシュ、ミャンマーに行っても、しばらくすれば「じゃあ次は?」ということになり、キリがありません。
 弊社は、バッグ会社としてのスピード感と、百貨店やセレクトショップでのバッグを手がけている会社としては、開発途上国での生産はおそらく進んでいる方だという自負があり、今後も積極的に進めていく必要はあると思います。
 しかし、究極の日本製も必要だと思っています。イタリアでは、中国製も手がけていますが、究極のイタリア製も手がけています。それはブランドとなり、高値で販売されています。ですから、海外での生産を続けていくことも必要ですが、日本製のブランドを育てていくことが必要です。そうしないと、メイドインジャパンに付加価値は出てきません。
 海外ラグジュアリーブランドのバッグで、原価率1ケタのものもあるのではないでしょうか。しかし、彼らはそれでも皆が欲しがるからしょうがないのだという話です。
 欧米がやっているあのブランド化ですが、日本人は正直なところがありますから、思い切って高く売るということが苦手です。
 ただ、欧米がすべてそうだというわけではなく、イケアやH&M、ZARAがあり、両極のような気がします。日本には、ユニクロやしまむらなどはありますが、プラダやエルメスのようなブランドはありません。このようなブランドをつくっていくことが必要ではないでしょうか。これが、チャイナリスク回避の2つ目の答えではないかと思っています。

(つづく)
【聞き手・文・構成:柚木 聡美】

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<COMPANY INFORMATION>
所在地:鳥取県倉吉市中江 48-1
設 立:1991年5月
資本金:9,300万円
売上高:(11/12)13億3,000万円


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