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正しい政治経済を問う(5)~民主党所属として保守の立場を貫く奥村直樹北九州市議
連載コラム
2013年7月 5日 13:35

<固定化されたイメージを払拭し、北九州市民が誇りを持てるまちに>

奥村直樹 北九州市議.jpg 「半ば強制的に政治に巻き込まれた」。大学卒業後、東京でファイナンシャルプランナー(FP)会社を共同経営。2005年、代表経営者が衆議院選に鳥取1区から民主党公認候補として出馬。奥村氏も選挙の手伝いをすることになった。鳥取で秘書のような役回りをしながら、東京では会社経営をするという「2足のわらじ」の生活が始まる。1年半におよんだ「二足生活」では、地元住民、地方議員らとも交流。鳥取を「第三の故郷」と感じ始める。そんなとき、「鳥取で市議会議員にでもなってみないか」という誘いを受ける。「もともと自分が政治家になる考えはなかった」が、「やりがいのありそうな仕事だ」と次第にその気になっていく。

 ところが、鳥取のまちづくりをどうしていくか考えていくうちに、「眠っていた愛郷心」が覚醒。どうせ地方議員になるなら、生まれ育った北九州市で出たい」という思いが抑えられなくなる。悩んだ末、二足生活を清算し、北九州に帰郷する。07年3月、市議選の2年前のことだった。帰郷後は、小倉南区にFP事務所を開業。1カ月後には福岡県議選で民主系候補の選挙支援に加わる。その後、民主党公認衆議院議員候補(当時)の城井崇氏のスタッフとしてほぼ専従。再び二足生活に入る。09年2月、ついに市議選を迎える。「若いものにやらしてみよう」ということで民主党公認を獲得し、郷里の門司区から立候補。「どうせ勝てないだろう」という声をはねのけ、念願の当選を果たす。

 選挙で訴えたのは「誇りを持てるまちにしたい(シビックプライド)」ということ。「北九州市民は照れ屋」で、対外的に「北九州市が良いまちだ」だと言わないことに常々不満を感じていた。「北九州=暴力団」、「治安が悪い」などという固定化されたイメージを変える必要があると考えた。「東京で働いていた頃、出身地を聞かれ、堂々と北九州市と答えられなかった自戒の念もあった」と明かす。そこで、市議として手掛けたのが「工場萌えツアー」。夜間にライトアップされたコンビナートなどアートとして鑑賞する企画だ。「このまちの魅力に気づき、もっとまちを愛して欲しい」という思いからだ。工場萌えツアーは、2期5年目の現在も継続中。市内の土木構造物を鑑賞する「ドボク萌えツアー」もスタートさせる予定だ。

 「民主系会派(ハートフル北九州)の他議員からは異端児だと思われている」。奥村氏の政治信条はいわゆる保守系に分類される。民主党会派の革新系議員とは意見が対立することが少なくない。またその一方、自由民主党会派の議員とは話が合うことも少なくない。パチンコ違法化などを主張する保守系論客の荒川区議の小坂英二氏と親交を結ぶ。小坂氏を通じ、保守系地方議員が集う林英臣政経塾にも参加。民主党所属議員らしからぬつながりを持つ。「民主党は野党のなかで埋没しつつある。民主党がやるべきは自民党よりも保守的な政党になることだ」と訴える。これでは異端児扱いは無理もない。

 そんな日頃の言動から、「なぜ民主党にいるの?」と、よく聞かれると言う。「民主党の風を受けて市議に当選した身。野党になったからといって乗り換えるのは自分で許せないからだ。2期目の市議選も民主党で戦った。ここまできたら意地もある。民主党が変わらないのなら最期を看取るつもり」と、その意志は固い。昨年12月の衆議院選前には、民主党にいち早く見切りをつけた連中が新党を立ち上げた。奥村氏の言葉は、彼らには決して理解できない、いや理解したくないだろう。民主党は7月の参院選でも厳しい情勢と言われる。もう十分義理を果たしたのではないか。そう問うと「不利な状況から這い上がることに快感を覚えるタイプなので大丈夫だ」と、笑ってみせた。

【大石 恭正】

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