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「和食」の説明ができなくて本当に日本人?(後)~永山久夫氏に聞く
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2013年10月 4日 07:00
2020年東京五輪「私の想い!」シリーズ

<あなたは外国人に「和食」を説明できますか?>
 ――これから日本は「2020年東京五輪」に向けた新たな7年間を踏み出すことになります。この点に関して一言頂けますか。

 永山氏 日本国民は7年後には全員、自分たちの「食と文化」の価値に気づくはずです。おそらく世界中からやってきた人々が驚きと強い関心を抱き、日本の凄さを認識、日本に対して見る目が変わります。

 その時、当事者である日本人が一番そのことを理解できていないのでは情けないと思うのです。「あなたは、和食を外国人にも理解できるように説明できるでしょうか?」。現在「和食」中心の食事をしていな人には難しいのではないのでしょうか。7年後とは言え、体にいいことは証明済みなのですから、この機会に「和食」中心の食事にしてみては如何でしょうか。

nagayama.jpg 先にお話したように、日本の平均寿命は順調に伸びているのは事実です。しかし、最近の統計では、健康寿命(健康を損なってから、息を引き取るまでの年数)との差が、男性が9.17歳、女性が12.73歳と大きく開いています。
 そこで、この7年間の間に、この差を5年以内にするように、日本政府も国民も取り組むべきだと思います。平均寿命が伸びても健康寿命が短くては意味がありません。

 このオリンピックを今巷で言われているように、3兆円とか150兆円とか経済効果だけで考えようとすればきっと後悔することになると思います。日本は「2020年東京五輪」を境に「ものづくり」大国から「文化」大国に移行していく予感がします。国際的評価ではすでにその兆しがあります。気負うことなく、歴史、絵画、文芸等に立脚した文化の力を素直に認識すればよいと思います。「物質文明」の先にあるものの一番近くに日本はいます。

 「和食」文化は、ホモサピエンスの最終で最高の食文化だと世界が認識しつつあります。私もこの「和食」文化を世界中に浸透させていくことに尽力するつもりです。
 「和食」料理の基本は素材の持ち味を活かし、手の込んだ料理はしないということです。バターも油も使わない、調味料も使わない。これほど自然環境にやさしい食は世界にありません。

<日本は「長寿大国」として世界の範となる>
 おそらくオリンピック後は、日本は文字通り「長寿大国」になると思います。「和食」は世界の長寿食です。簡単に医者にかからず、まず食生活で自分の体をメンテナンスしていくことを学ぶことになると思います。

 ひとつ面白いお話をします。日本人のスマイルはよく"自然"を感じさせるとよく言われます。それは欧米系のスマイルとは少し違います。「肉食」でも、「和食」(魚や大豆等)でも同じようにセロトニンは分泌されるのですが、違いがあるのです。それはおそらく和食のおかずとか付けあわせ(味噌汁、豆腐などの麹)によるものだと思います。
                    
 私はオリンピックを境に日本に「陽はまた昇る」と確信しています。しかし、それは地球人類の範となる「文化力」、「精神力」の陽を意味します。次の太陽は高齢化社会に最適な過ごし方です。

(了)
【金木 亮憲 】

≪ (中) | 

<プロフィール>
nagayama_pr.jpg永山 久夫 (ながやま ひさお)
1932年、福島県生まれ。食文化史研究家。長寿食研究所所長。西武文理大学客員教授(和食文化史)。古代から明治時代までの食事復元の第一人者。長寿の食生活を長年にわたって調査研究。TV、ラジオ等出演多数、講演実績も多数で、その招聘先は日本に留まらず、ヨーロッパ、アメリカ等にまで及ぶ。著書に、「なぜ和食は世界一なのか」、「日本古代食辞典」、「長寿村の100歳食」、「日本人は何を食べてきたのか」、「武士のメシ」、「食の決めワザ100」ほか多数。


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