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トリアス 外資ファンドを取り巻く失望と疑念(3)
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2013年10月11日 12:11

<店舗撤退加速を懸念する既存店>
toruius.jpg テナントと運営会社との軋轢の最大の理由は一部広告費の使途不明なことだが、背景にはテナントの体感ベースでの集客の減少がある。あるテナントは「売上を上げる努力は、それぞれのテナントがしなければならない。だが、施設全体への集客にはデベロッパーも一定の責任を負うべき」と主張する。ラ・サール社について「買収直後は一定の資金を投下してリニューアルなどを実施した。さすがと期待を持てたが、最近は目立ったリニューアルがなく、投資の結果が目に見えない。」と老朽化する施設への焦燥感を募らせる。こうしたなかで、運営会社変更がなされ、一部販促費の使途が見えなくなったことが、テナントの態度をより硬化させることになった。運営会社が、雨漏り対策など見えない部分への資金投下の必要性を強調するほどに、販促費名目の費用の使途について疑念を強めているのだ。

 運営会社への不満が高めているもう一つの理由が、リーシングの力量への疑問だ。あるテナントは「有力な店舗が入ってこない。このままでは客離れが進む一方」と危機感を募らせる。別のテナントは「最近は、空いたところへ入るのは期間限定の催事屋さんばかり。これではお客様が魅力に感じるはずはない」と悲観する。
 これについて運営会社は、「期限付きながら海外の有力ブランドを入居させたこともある。批判ばかりする人はそういうことには目を向けていない。」と反論する。だが、入居する有名企業は、一連の広告費関連の疑惑には寛容な態度を示した一方で「それよりも福岡有数の菓子舗や明太子店が退店してしまった。将来がとても不安だ」とリーシングの現状に危機感を募らせる。運営会社は「まだ営業を続けているということは、まだそれなりに利益が出ているはず」と主張する。
 こうした発言に対して、テナントの反応は様々だ。「嫌なら出ていけといわんばかりだ」と反発を強める企業。「トリアス草創期から出店している。愛着があるのは当然。できればここで頑張りたい。」と複雑な心境を覗かせる店舗。なかには「他の商業施設でも店舗を構えている。率直に言って、テナントとの一体感や集客への努力は、トリアスとは雲泥の差がある。それでもトリアスのような広大な敷地(約274,000m2)の施設は、今後日本ではできない。やるべきことをやれば差別化された魅力的な店舗が必ずできる」という声もあった。

 共通しているのは未だトリアスの潜在力に強い魅力を感じており、できれば早急に事態を収拾したいと考えていることだ。資産価値向上にまい進したいのはファンドや運営会社も共通の思いのはずだ。だが、テナントが運営会社へ不信を募らせる決定的な事象が、新たに浮き彫りになった。

(つづく)

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