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九州・山口・広島の地銀22行の13/9月期(中間)決算を検証(3)
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2013年11月25日 07:00

1.預金残高について
 預金残高第1位~6位までの福岡銀行・西日本シティ銀行・広島銀行・山口銀行・肥後銀行・鹿児島銀行については先述したが、以下の順位行について述べてみたい。

◆3兆円未満~2兆円以上の銀行
第7位  もみじ銀行  2兆7,948億円
第8位  大分銀行   2兆6,190億円
第9位  十八銀行   2兆3,233億円
第10位  親和銀行   2兆1,863億円
第11位  宮崎銀行   2兆 0,128億円

★第7位のもみじ銀行について
・第7位のもみじ銀行は、第4位の山口銀行、第15位の北九州銀行とともに山口フィナンシャルグループ(YMFG)傘下にある。
ここでもみじ銀行(広島市)がYMFGの傘下に入った経緯について簡単に触れておきたい。
 もみじ銀行はバブルの後遺症から抜け出すことができず、2004年には多額の不良債権を抱えていることが表面化。経営破たん寸前の状況に追い込まれていた。
 そのような状況のなか、隣県の山口銀行は、2004年5月21日に開催された臨時決算取締役会議で、就任してわずか2年の田原鐡之助頭取(当時)の解任動議が提出され、当時最年少の取締役であった福田浩一氏が頭取に昇格するという前代未聞の「頭取交代劇」が発生。それを指揮したのは前頭取で相談役の田中耕三氏であった。
 週刊ダイヤモンドは、「既に相談役に退き役員でなかった田中氏が大きく関与したことについて、中国財務局より『ガバナンス上の問題がある』と批判され、これが遠因となって経営不安があったもみじホールディングスとの経営統合(事実上の救済合併)を余儀なくされた」と報じている。
 当時の中国財務局長は吉川元康氏(女優山村紅葉の夫)であり、不良債権処理に積極的であった田原頭取を非常に高く評価しており、「田原頭取更迭」を聞いて烈火のごとく怒ったと伝えられているが、その直後の7月に関東財務局に転出している。
 
 余談になるが「頭取交代劇」があった取締役会議に出席した15名の取締役のうち、現在YMFGに現役として残っているのは、福田浩一氏(YMFG社長兼山口銀行頭取)、加藤敏雄氏(北九州銀行頭取)、野坂文雄氏(もみじ銀行頭取)の三氏。いずれも田原頭取更迭に賛成票を投じた人物である。追記すればそれを指揮した田中耕三氏(87歳)は、今も相談役として毎日出社し、その影響力を誇示していると言われている。

★第8位の大分銀行について
・同じ大分市に本店のある豊和銀行の預金量は5,000億円で、大分銀行はその5倍強のボリュームがあり盤石な態勢を維持している。

★第9位の十八銀行と第10位の親和銀行について
・長崎県に2行ある宿命のライバル同士の地銀である。親和銀行(佐世保市)がふくおかFGの傘下に入り財務体質の改善を強化したことから、預金のボリュームはほぼ拮抗するまでになっており、むしろ最近は地元回帰を旗印に勢いが出てきている。

★第11位の宮崎銀行は、第2地銀・宮崎太陽銀行のほぼ4倍の預金量がある。ただ伸び悩みの感は否めず、今後どのような営業態勢を展開していくかが大きな課題となっている。

★このグループではすでにもみじ銀行がYMFG、親和銀行がふくおかFGの傘下に入っている。それに対抗するためにはどのような形で金融再編の道を歩むべきかの岐路に、大分銀行・十八銀行・宮崎銀行の首脳陣は立たされており、まさにその力量が問われている。
 みずほ銀行のような「問題融資」が地方銀行で発覚すれば、間違いなく金融庁主導の金融再編に巻き込まれることになる。今は企業統治(コーポレートガバナンス)と法令順守(コンプライアンス)に最善の注意を払うことが求められているのかもしれない。

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(つづく)
【北山 譲】

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