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韓国をより深く知るために見ておきたい映画(7)~「王の男」
文化・スポーツ
2013年12月 5日 13:53

 異国文化や情勢を知るための有効な手段として「映画を見る」という方法が挙げられる。日本では「韓流ドラマ」も多く放送されているが、映画には歴史的背景や伝統的な文化、風俗が色濃く反映されていることが多い。
 「韓国を知る」ためにどのような映画を見れば良いのだろうか・・・。韓国でヒットした作品、あるいは、韓国人有識者が推薦する名作映画をご紹介する。ピックアップする作品は日本の大手レンタルDVDストアでも入手可能だ。

 笑いと友情に満ちた作品。主人公は2人の大道旅芸人(チャンセンとヨンギル)。そこに国王(第10代朝鮮王朝国王・・・暴君と呼ばれたヨンサングン)が絡んでくる。路上で芸をしながら生計を立てる2人の芸人。彼らが奏でる芸は、時に「大人の笑いを含んだ」ブラックジョークも含まれている。中には、国王であるヨンサングンを鋭く風刺するものもあった。

 ある日、2人は漢陽(現在のソウル)の街で、ヨンサングンを批判するネタを披露。王朝関係者に見つかり捕らえられ、死罪にされそうになる。開き直った大道芸人の兄貴分チャンセンは「国王を笑わせたら免罪にするべき」と豪語。暴君国王の前で芸をすることになった2人、緊張感張りつめた宮廷でネタを披露。風刺もブラックジョークも「大人」ネタも国王に大ウケで、死罪を免れるどころか、2人は王宮付きの芸人として召し抱えられることになる・・・。

 見どころは、2人の芸人が繰り出す「ネタ」だ。政治風刺がメディアで行なわれなくなった最近の日本では、韓国の過去を描いた作品とは言え、画面で政治風刺を見るのは、ある意味で「新鮮」と言えるだろう。国王ヨンサングンは「公」では暴君の顔を持つ反面、「私」では「大人ネタ」を披露されると大爆笑する。志村けん氏演じる「バカ殿」にも通じるほどの体たらくぶりも映画の「笑える」ポイントとなっている。

 宮廷内の嫉妬や争いもまた注目するポイントだろう。アジア圏では中世期から近代にかけて王朝のなかで人間関係による争いが頻繁に繰り返されている。16世紀の李氏朝鮮時代も違わず、宮廷内での権力争いが繰り返されていたということがうかがえる。

 この作品は、16世紀「李氏朝鮮」時代が背景になっている。その当時、当然ながら北朝鮮と韓国の国境はない。2005年公開で、韓国では映画興行ランキングの5位内に入っている。


■主なキャスト
カム・ウソン(大道芸人の兄貴分チャンセン役......韓国ドラマ出演も多い)
イ・ジュンギ(大道芸人の弟分コンギル役......中性的で「美しい」男優として人気が高い。光州5・18にも出演)
チャン・ジニョン(第10代朝鮮王朝国王ヨンサングン役)

【杉本 尚丈】

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