<求められる制度の総点検>
昔から、いろいろな人たちを受け入れてきた福岡市は、人情味あふれる国際都市として成長すべきです。しかし今、進藤市長、桑原市長の時代からお付き合いを続けてきた中国・韓国と日本の関係は急激に緊張しています。そのなかで、東南アジアの国々や台湾とどのように付き合っていくか、軸足を定めないといけません。
博多は二千年来、貿易で成り立ってきました。オランダやスイスに匹敵する規模(人口・面積)がある九州の牽引役としても、もっと自由に判断できる仕組みが必要のように感じます。
国全体に関わる外交や安全保障は国に任せなければなりませんが、地方格差が広がった今、『お金を国が集めて配る』というやり方は限界に来ています。とくに経済的な分野においては一定の権限委譲が必要です。ただし、成長戦略に必要な施設・インフラで『ないものねだり』をする時代ではありません。それぞれの県に空港があり、九州新幹線も開通しました。高速道路の整備も進んでいます。今あるものを最大限に活かすべきです。新たに国際空港をつくるよりも、今はひとまず韓国の仁川国際空港を活用した方が、良いように思います。
アジア太平洋博覧会から四半世紀が経ち、制度疲労が起きています。1度総点検をし、やめられるものはやめないといけません。たとえば地下鉄は本当に役所がするべきでしょうか。地下鉄をつくる際に市が借りたお金は市が返すべきですが、運営は民間に任せてもよいと思います。
財源が厳しいなかでは『帳面消し』で造るのでなく、1つひとつが特色のある施設をつくることが大切です。安く済めばよいというだけではなく、必要であれば借金が増えないかたちで市債を活用し、計画的に進めていくべきです。
県との関係も見直しが必要です。隣同士でも、大濠公園は県の所管、舞鶴公園は市の所管です。それ以外のことでも、県と市が協議する場はなく、県議と市議の協議もまったくありません。バラバラにやっていたら非効率です。
<災害と高齢化で高まる不安>
人が集まることで豊かになるまちには、人に優しいまちづくりが求められます。しかし今は、暮らしのなかの不安が大きくなっています。中山間部では、農業が行なわれなくなった弊害として、災害の被害が拡大する危険性が高まっています。田畑がなくなり、水路だけ残っているところでは、管理者がわからない水門(法定外公共物)が壊れてしまい、問題になっています。一元的に市町村が管理するようになっていますが、整備するお金がないばかりか、どこにあるかもわからず野放しになっているのです。
そうしたところへ、短時間に莫大な量の雨が降る「ゲリラ豪雨」が増えています。田畑の代わりとして、水を短時間に貯めておく地下貯水池をつくり、水がどっと流れないような工夫が必要です。貯めておけば生活用水としても使えます。
一方で、お年寄りは日々の生活に不安を持っています。貯金があるとしても、ご夫婦のどちらかが養護施設に入所するなどして一緒に住めない、子どもさんもなかなか面倒を見ることができず、買い物に行くのもやっとです。目が不自由でも、耳が遠くなっても、見た目ではわからず、ご本人は苦労されていらっしゃいます。役所からは各種手続きに必要な書類が送られてきても複雑すぎて記入できません。お年寄りの生活サポートをもっと民間会社やNPO法人に任せるようにしてもよいのではないでしょうか。
<OFFICE INFORMATION>
北嶋雄二郎後援会事務所
所在地:福岡市城南区茶山1-4-27
TEL:092-845-0005
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E-mail:info@y-kitajima.com
<プロフィール>
北嶋 雄二郎
1949年生まれ。九州大学法学部卒業。73年4月、福岡市役所に採用。総務企画局東京事務所長(99年4月就任)、市長室長(2000年10月就任)を経て、04年4月、市民局長に就任。06年9月から収入役を務め、07年1月、(株)福岡クリーンエナジー代表取締役に就任。11年4月、福岡市議会議員選挙(城南区)に初当選。現在1期目。第1委員会委員、少子・高齢化対策特別委員会委員などを務めている。
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