官民需とも好況で、前年比110~120%の出荷量を推移する生コン業界。
福岡県においても案件が増大し、どの生コン工場も業績は上昇傾向にある。良き話が聞けるかと尋ねると、浮かない表情が多い。
福岡地区の生コン工場の幹部は、「確かに出荷量は上がっている。それは、有難い事なのだが、コスト面で頭が痛い。特に生コンを運搬するミキサー車が、慢性的に不足している。市況が下落した3年位前にミキサー車の保有数を50%に削減した。だが、ここに来て市況が回復してきたので、削減した分の影響が出てしまっている。ミキサー車のチャーター会社に依頼しなければ、配送が滞る。今の状況は、どの工場もチャーターを依頼するので、チャーター会社は価格を吊り上げている。以前の1.5~2倍を要求する場合もある。また月極めで契約していたものが、1日ずつのスポットでしか受けないケースが多い。スポットの方が、単価が上がるからだ。それでも、配送を止める訳にはいかないので、依頼はする。ミキサー車を購入するといっても、1台1,300万円という価格である。中古で15~20年落ちでも700~800万円。購入も前向きに検討はするが、慎重になるよ」と現況を語る。
「あちらを立てればこちらが立たず」...生コン業界が、もう一つの課題を突きつけられた形である。
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