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【特別対談】福岡からアジアへ、高まる企業の進出熱(前)
クローズアップ
2014年1月 9日 11:37
一般社団法人九州経済連合会 国際ビジネス推進室(IBC)室長 新田敏之氏
公益社団法人福岡貿易会 専務理事 甲斐敏洋氏

 近年、福岡で磨いたビジネススキルをASEANで発揮しようとする中小企業が増えている。大きな資本はないものの、すでに各国で活躍している企業もたくさんある。カンボジアを中心にASEAN各国を知る大谷賢二氏をアドバイザーに、中小企業の海外進出が進む今の九州・福岡について、対談を行なった。
(司会:弊社代表・児玉 直)

 ――国内市場の縮小のため、海外にチャンスを求める企業が増えています。最近では、大手企業だけではなく、中小企業の進出が目立ちます。とくに九州・福岡からはASEANを狙う動きが活発になっています。

大谷賢二氏 大谷賢二氏(以下、大谷) ようやく最近になって、企業からカンボジア進出についての問い合わせが多くなり、進出熱の高まりを感じます。2014年6月にはイオン・カンボジアが開業します。その後、日本企業にとってカンボジアのイメージは大きく変わるでしょう。カンボジアでは長年、地雷撤去活動を続けていますが、最近は経済発展のためにビジネス交流をしてほしいという要望を多く受けます。親日家の多い地域です。日本企業の進出を皆さん歓迎してくれています。今こそ、海外へ進出するチャンスだと強く感じますが、九州の中小企業の動きはどうでしょうか。

 新田敏之氏(以下、新田) 九経連IBCは11年7月の発足しました。九経連は今までにアジア各国の商工会議所などと積極的にMOUを結んでいます。IBCはそのMOUを活用して日本企業を紹介したり、相手国の企業を紹介してもらったりして、交流を深めています。現在、九経連の会員は大手企業を中心に九州全域に約960社。海外の日系企業のネットワークも活用させていただきながら、支援を行なっています。実は、会員以外の中小企業からの相談が圧倒的に多く、間違いなく動きは活発になっています。

 ――IBCのこれまでの取り組み状況を見ると、現在のような日中関係でも、いまだに中国との案件が多いのですね。

新田敏之氏 新田 中国は相談を受ける業種業態の種類が非常に多いのです。農業から商業、製造業まで雑多です。リクエストは多いのですが、実際に契約に至るケースは少ないです。心理的な障壁や規制が多く、相談は受けるものの、なかなか進んでいません。それに比べチャイナプラスワンとして、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアとの案件が増えています。企業が元気になって九州が活性化することが最大の目的ですので、どなたでも歓迎しています。

 ――甲斐氏は長年、福岡貿易会で活躍されています。福岡貿易会では、どのような取り組みを行なっているのですか。

甲斐敏洋氏 甲斐敏洋氏(以下、甲斐) 福岡貿易会は貿易促進を図って地域を活性化させようと設立されました。会員は約300社。商社、問屋、卸を中心に、それに関わる企業、保険、銀行、物流、船会社、航空、IT企業などが加盟しています。
 主な活動内容は、まず会員企業や一般の方へ各国の国際情報、貿易情報を発信しています。また、福岡の中小企業向けに貿易実務セミナーを定期開催しています。語学講座では中国語や韓国語をレベル別に学べるようにしたり、英語講座では英文でのメール対応を実践型で習得したり。貿易相談では、貿易を始めたい、海外に進出したいという企業から相談を受けています。年間に100件以上あり、10名ほどの経験豊富なアドバイサーが対応しています。

(つづく)
【文・構成:東城 洋平】

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一般社団法人 九州経済連合会 国際ビジネス推進室(IBC)
 将来的な九州の内需縮小を受け、アジアの成長力を取り込むことを背景に2012年7月に開設。母体となる九経連の会員は大手企業が中心だが、IBCは九州全域の中小企業の海外ビジネス展開を支援することで、九州経済を活性化させることを目的とする。九経連の会員約960社の海外ネットワークを活用し、現地パートナー企業や海外工業団地を紹介。海外政府・経済団体と積極的にMOUを結ぶなど、信頼性の高いネットワークを持つ。また、企業単独では実現の難しい小ロット商品をコンテナに混載し、九州ブランド産品の輸出の支援のほか、通関手続きや販路開拓のバックアップも行なう。
 取組事例としては、13年春に香港で九州産農産物の展示即売を開催。九州産ブランドとして売り込むことで、窓口を一本化でき、輸入業者からも評判を集めた。農産品を集めて大量輸出することでコストを低減することもできるメリットもある。入口から出口まで、プロジェクト方式で成功事例を1つずつ積み重ねている。発足から約1年半の間に、130件を超える支援依頼があった。
所在地:福岡市中央区渡辺通2-1-82 電気ビル共創館6F
TEL:092-761-4262

公益社団法人 福岡貿易会
 1958年に設立された「福岡貿易振興会」が前身。日本が貿易政策として輸出振興による経済発展を目指していた高度成長期に、福岡市および周辺経済圏の貿易関連企業が協力し設立された。その後、73年に「福岡貿易会」と改称し、翌年の74年の法人化を経て「社団法人 福岡貿易会」となった。そして、2013年4月に「公益社団法人 福岡貿易会」に移行している。97年には、福岡市のアジアの交流拠点都市づくりに呼応し、アジア経済交流センターを開設。国際ビジネス情報の窓口となり、地場企業の人材育成支援に取り組んでいる。09年には、中国での地場企業の販路拡大、進出を支援するため上海事務所を設置。
 主な事業は、貿易情報および貿易資料の提供、貿易に関する講演会・懇談会・説明会等の開催、 海外視察団の派遣など。会員数は約300社。63年に、全国に先駆けて韓国へ視察団を派遣。その後、台湾、中国各地、東南アジア、欧米などにも派遣し、現地情報を収集、発信している。また、タイとベトナムに続くチャイナプラスワンを研究するため、07年にインドシナ半島研究会を発足。それをきっかけに会員を中心に10年「福岡・ラオス友好協会」を設立。ラオス人留学生などを招いて、交流会を開催、ラオスの情報を定期的に会員に届けている。
所在地:福岡市博多区博多駅前2-9-28 福岡商工会議所ビル7F
TEL:092-452-0707


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