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【異議あり!辺野古移設】東恩納琢磨・名護市議~キャンプ・シュワブの全面返還が必要
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2014年1月17日 12:17

 東恩納琢磨氏(52)は、沖縄県名護市東海岸の大浦湾に面する瀬嵩に住む。米軍キャンプ・シュワブや辺野古とは大浦湾をはさんで対岸になる。2007年、同市辺野古への新基地建設の是非を問う住民投票に取り組んだ。その後、自立経済を自ら実践しようと決意、エコツーリズムの拠点として、「じゅごんの里」を設立。シーカヤック体験など、10年間で修学旅行生が5,000人以上訪れた。ジュゴン保護基金の設立、沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団団長など、ジュゴン保護に取り組み、基地との共存共生から豊かな自然環境を生かした地域経済を実践。2008年から名護市議。現在2期目。

<新基地阻止の18年間>
 ――住民投票以来、住民は対立させられている。

 東恩納琢磨氏(以下、東恩納) 18年間、構図は変わっていません。住民同士、住民と地元業者が争わされる。利益誘導で利益を得られる人と、利益に関係ない人の争い。利益を得られる人が「オール沖縄」に反対している。
 1997年の住民投票で新基地建設反対の民意を示して勝った後、基地が造らされる危機が何回もありました。
 住民投票直後に、比嘉鉄也市長が基地受け入れを表明して辞任した。その市長選挙に負けて、住民運動も潮が引くように消えていった。同じ年に、知事も変わって、「もうこれで終わりか」と思った時もある。このままでは、新基地に反対する人が孤立させられると危機感を抱いて、ジュゴンの棲む自然環境の保護をテーマにして世界に訴えてきました。
 2004年の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故から半月後には、防衛施設局が新基地建設強行を発表し、ボーリング調査を強行しようとした。その時は、海上阻止行動に出た。海中に立てられた工事用の単管(単管やぐら)が立てられたが、やぐらに人がしがみついて、工事を阻止し続けた。これまで多くの人が必死に新基地建設を阻止してきたんです。

エコツーリズムの拠点として設立された「じゅごんの里」

 比嘉市長が受け入れたのも、東京。2006年に島袋前市長が今のV字型滑走路案を受け入れたのも、東京。島袋前市長が政府と合意するのを、当時市役所の幹部は誰も事前に知らされていなかった。表向きは、そんな話をするために上京したわけではない。名護市のことがなぜ東京で決められるのか。
 4年前の市長選も、「このままでは国の言いなりになる」と、危機感を抱いて迎えた。
 稲嶺進さんが立候補するというので、僕らが応援するにあたって、連れて行きたい場所があった。新基地建設に反対する辺野古の住民たちが結成した「命を守る会」の事務所だ。そこで、嘉陽のオジー(嘉陽宗義さん)が色紙を持ってきて、「この色紙に、基地を造らさないと約束を書いてくれ」と求めた。その時、稲嶺さんが書いた言葉が、「海にも陸にも新たな基地を造らさない」だった。その時、本当に決意を固めたのだと思う。

<同じ名護市民、一緒に反対しよう>
 ――新基地建設反対に取り組んだきっかけは?

東恩納琢磨・名護市議 東恩納 辺野古に新基地を造る問題が持ち上がった時、僕は土建会社で働いていて、なぜ辺野古なのか、なぜ辺野古でないとダメなのか疑問に思った。東京から遠く離れた沖縄に、そして、沖縄本島北部の名護市に、さらに、その名護市の辺野古に。弱いところに嫌なものを押し付けられる。それはなぜなのか。辺野古は、キャンプ・シュワブを受け入れた。辺野古だけは、基地に反対しなかった。反対運動がないところに基地は押し付けられるのか。
 今反対しなければ、自分の子どもに「お父さんは反対しなかったんだね。基地を容認したんだ」と言われる。反対しないといけない、と思った。
 どうやって反対していこうかと、みんなで話し合った。「同じ名護市民、一緒に反対しましょう」と名護市街地で訴えようという提案が出た。市役所包囲や道ジュネーをやって、名護の人たちに反対の気持ちを伝えて、僕らは、住民投票に勝った。

<シュワブ返還・跡地利用の構想を示すとき>
 ――基地と振興策のリンクが問われているが・・・。

 東恩納 この名護市長選で、新基地推進派は「再編交付金40億円、200億円を活用する」と言う。与えられたお金に頼って生活しようとすることそのものがおかしいが、現実には建設業者は引き寄せられる。「基地を造らせないなら、こういうことができる」というのを示す必要がある。
 一昨年の市議会(2012年12月)で、キャンプ・シュワブ返還後の経済効果の試算を市に質問した。シュワブがあるから辺野古に新しい基地が造られる。今こそ、シュワブの全面返還を求めるべきだ。跡地をリゾート地にというのは、僕が10年前に「国民休暇村をつくろう」と言っていたことと一致する。
 基地にリンクしなければ、予算を獲得できないなら、沖縄は自立できない。基地のない県には、国からお金が出ないわけではない。要求できるものは要求する。そして、「基地はいらない」と言って、必要な予算を獲得するのでなければ自立はできない。新たな基地を受け入れて再編交付金をもらっても、もらえる期限(原則10年)が来て、再編交付金が切れたら、また新たな基地を受け入れるのか。原発立地の構図と同じだ。しかし、稲嶺進市長になって、名護市は、そこを切り抜けた。再編交付金が来なくなったが、国交省や農水省の予算を確保した。

 仲井真弘多知事が埋め立て承認しそうだというのが、2、3週間前から報道されて、単管やぐらにしがみついた女性が「もう同じことはしたくないね」と話すので、僕は「市長選で勝てば大丈夫」と言った。稲嶺市長は、市の権限を活用して、新基地建設を阻止すると言っている。しかし、選挙は結果が出るまでわからない。16年前の市長選がそうだし、前回の知事選がそうだ。
 知事が埋め立てを不承認にするのがベストだった。市長選挙が終われば、「オール沖縄」は、修復されると思っている。自民党は孤立していく。安倍政権も追い込まれていく。沖縄の自民党は、「オール沖縄」に戻るしかない。この問題は、もう保守対革新の枠を超えている。沖縄をどうするかでは一致できる。将来を見据えて、今行動を起こす時に来ている。

【聞き手・文:山本 弘之】


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