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細川・小泉「冬の陣」~選挙戦終盤の東京都知事選(前)
政治
2014年2月 5日 15:57

 選挙戦終盤の東京都知事選(2月9日投開票)では異例の光景が見られた。安倍首相が自民党を除名されている舛添要一候補の応援のため街頭演説に立ち、「都民が一番関心があるのは社会福祉政策だ」と訴えたのだ。

 都知事選告示前、「原発即時ゼロ」を掲げて安倍政権の原発推進に反旗を翻した小泉純一郎氏が細川護煕・元首相の全面支援を表明すると、官邸の安倍側近は「総理が一地方選の応援に出ることはない」と断言し、小泉氏との直接対決から逃げてきた。それほど小泉旋風を恐れていた。それが今になって桝添氏の応援に立ったのは、桝添圧勝の流れはもはや覆ることはないと判断し、「政治の師」だった小泉師に対して勝利宣言をするためだ。
 後出しじゃんけんと言えばこれほどの後出しはないが、選挙終盤の各社の世論調査の数字はいずれも桝添氏が細川氏にトリプルスコアに近い差をつけてリードしており、2位につけていた細川氏が3位の宇都宮氏に逆転されたという調査もある。

東京都庁 もっとも、だからといって安倍首相が言うように、有権者の関心が福祉のみに向けられたわけでも、政権の原発推進政策が支持されたわけでもない。むしろ、都知事選渦中に行なわれた各紙の全国世論調査では、原発再稼働への反対が朝日58%、日経58%、東京60%など軒並み6割近くに達していた。それでも、「原発即時ゼロ」を争点に掲げた小泉-細川コンビの挑戦は完全に空振りに終わり、同じ再稼働反対派の細川氏と宇都宮氏の支持を合わせても桝添氏に届きそうにない数字だ。
 なぜ、「小泉反原発旋風」は起きなかったのか。

 細川氏が出馬を表明すると、政権寄りの新聞・テレビがすでに返済済みである31年前の「佐川急便からの1億円借り入れ問題」など金銭スキャンダルを報じ、反細川キャンペーンを展開して有権者にネガティブな印象を与えたことは大きい。その一方で、桝添氏が代表を務めた新党改革が2010年から12年までの政党助成金を法律で禁じられている借金返済に充てていた疑惑は「赤旗」以外、他の大メディアは一切報じなかった。大メディアは明らかに「細川阻止」の世論操作に動いた

 原因はそれだけではない。

 最初から「風」がなかったわけではない。都知事選告示後、大メディアのネガティブキャンペーンのなか、小泉-細川コンビの街頭演説には多くの聴衆が集まり、細川陣営には、「選挙を手伝いたい」というボランティアの申し出が殺到していた。
 ところが、細川陣営は反原発ムーブメントを起こす準備が決定的に不足していた。
 「選挙ボランティアの申し出があっても、活動するツールがない。せめてポスターがあれば、『貼ってほしい』と戸別訪問してもらうことができたはずだが、確認団体に認められている1万2,500枚のポスターをはじめ、チラシ、公選ハガキなどの手配が後手に回ってチャンスを逸した」(細川選対関係者)。

(つづく)
【千早 正成】

| (後) ≫


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