ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

政治

細川・小泉「冬の陣」~選挙戦終盤の東京都知事選(後)
政治
2014年2月 6日 07:00

totyou3.jpg 細川氏の出馬にあたって、陣営には肌合いの違う2組の応援団がついた。細川内閣当時の官邸を支えた田中秀征氏(元首相特別補佐)、成田憲彦氏(元総理首席秘書官)など旧日本新党・さきがけ系のかつての"重臣"人脈と、勝手連的に集まった小泉チルドレンの馬渡龍治・元代議士、小沢チルドレンの牧義夫・前代議士、ジャーナリストの上杉隆氏らのいわば"外様"グループだ。外様はいずれも鳩山邦夫氏の秘書出身者(邦夫氏自身は舛添支持)であり、当初、馬渡氏が細川選対の事務局長に就任するなど、選挙の実務は元鳩山秘書軍団が仕切る体制だった。

 だが、重臣と外様グループは最初から主導権争いで対立し、選挙公約の発表が大幅に遅れ、ついには細川氏が選挙戦さなかに選対事務局長の馬渡氏をはじめ元鳩山秘書軍団全員を解任する事態となった。

 「応援団全体をまとめる人物がいなかった。外様グル-プは小泉氏を前面に立てた選挙戦を重視していたが、細川さんの奥方(佳代子夫人)や姫様(娘)たちは、もっと女性票を掘り起こすべきだという考え方で、外様グループの戦術が面白くない。その意を汲んだ重臣たちが外様追い出しに動き、後半は奥方が選挙の前面に立った」(同前細川選対関係者)。
 戦の最中に場内でお家騒動が起きれば、勝てるはずがない。細川陣営は内部崩壊を起こし、自滅したのである。

 細川、小泉両氏をよく知る大物政治家は、「長く政界を引退していた政治家が、現役復帰して選挙を修羅場を踏むには精神的にも、身体面でも相当な覚悟と準備がいる。果たして、細川にそれだけの備えがあったのか。小泉の応援があれば勝てると簡単に考えていたのではないか」と指摘する。

 そうした小泉‐細川連合の自滅を一番喜んでいるのは、安倍政権の背後にいる経産省、電力業界、原発メーカーといった原子力村だろう。もし、小泉‐細川陣営が勝てば政府の再稼働に対する抑止力となり、来年の統一地方選では全国的に原発YESか、NOかが争点になる可能性が高かった。
 しかし、今や経産省幹部は「再稼働が争点のひとつだった都知事選で舛添候補が勝てば、民意が原発再稼働を容認したことを意味する」と原子力規制委員による停止中の原発の安全審査を急がせ、都知事選勝利を"錦の御旗"にして夏前にも複数の原発を再稼働させる構えだ。

 その意味で、細川・小泉「冬の陣」は、この国の行方に大きな禍根を残したのではないか。

(了)
【千早 正成】

≪ (前) | 


※記事へのご意見はこちら

政治一覧
福岡市政を破壊する高島シリーズ
2014年2月 4日 13:49
濱口和久「本気の安保論」
2014年1月31日 07:00
濱口和久「本気の安保論」
2014年1月30日 07:00
濱口和久「本気の安保論」
2014年1月29日 07:00
濱口和久「本気の安保論」
2014年1月28日 11:24
福岡市政を破壊する高島シリーズ
2014年1月27日 14:37
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
流通メルマガ
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル