中洲スナックの魅力をお届けするスナック探訪記の第1回。今回、小生が訪れたのは、RBコア中洲7階の「VIDA(ビダ)」(TEL:092‐282‐7018)。現オーナーが裸一貫でオープンし、今年で8年目を迎える店である。今、現場を仕切るのは昨年、初代ママに就任した洋子さん。落ち着いた物腰の和風美女だが、平成生まれの25歳。洋子ママをはじめとする20代のスタッフが店を盛り上げている。
「平成」と聞くと、「昭和」かつアラフォーの小生は、とてつもない世代の壁を感じてしまうが、なぜか、ここの店の常連は小生の同世代が多いという。その理由は、店に入るとすぐにわかった。カラオケで使うモニターに、あの『伝説のバンド』のライブ映像が流れているのだ。1980年代に活躍したバンドブームの火付け役、日本の音楽界に絶大な影響力をおよぼしたBOΦWY(BOOWY)である。
日頃から、十八番にBOΦWYのレパートリーが入っている小生。店内に流れる懐かしの曲と映像に、テンションが上がらざるを得ない。聞くと、BOΦWYはオーナーの趣味なのだが、もらった店の娘の名刺には、裏に「当店のBGMは、基本BOΦWYとなっております」と、ちゃんとお断りがされている。そうここは、30代後半から50代までに多いファンが集う店なのである。
「VIDA」のオーナーは筋金入りのBOΦWYファンだ。店には、CDではなくレコードのBOΦWYコレクションがあり、それらも見せてもらえる。時代を感じさせる懐かしいジャケットに、淡い青春の思い出が、脳裏に鮮やかな映像となって蘇ってくる。当時、"あのギター"に憧れて、カバンを白黒の幾何学模様にしていた学生は多かった。「釣りのルアーをあのデザインにしましたが、1匹も釣れませんでした」と、苦笑いで思い出を語るオーナー。ちなみに小生の場合は、通学用のママチャリだった。
店の経営について、「まったくのゼロ、開店にかかる費用を考えればマイナスからのスタートでした」と振り返るオーナー。手持ちの金と信用がないため、酒屋に頭を下げまくって仕入れをしたことや、不眠不休で働き続け、店に泊まることも多かったため、店の娘たちからマットレスをプレゼントされたことなど、苦労した思い出を語る。そのバックにはいつもBOΦWYが流れ、オーナーを支え続けてきた。
BOΦWYは"VIDAの基本"である。もちろん、平成生まれの店の娘たち全員もBOΦWYの曲を覚えてしまっている。カラオケになれば、次々とかかる名曲の数々。たとえ顔見知りでもない客が歌っていても、普通の店では"ありえない一体感"が生まれてしまう。「思う存分楽しく過ごして下さいね!」(洋子ママ)と、セット60分4,000円というお手頃料金。さらに、『1回延長すればフリータイム』というお得なシステムも用意。一晩、青春時代に戻って過ごせる店と言っても過言ではないだろう。
<SHOP INFORMATION>
VIDA(ビダ)
所在地:福岡市博多区中洲4-2-16 RBコア中洲7F(地図)
TEL:092-282-7018
営 業:午後8時~
料 金:60分4,000円(午後11時以降は60分5,000円)
延 長(フリータイム):5,000円(2名以上は1人4,000円)
その他:カラオケ1時間1,000円
URL:https://www.facebook.com/VIDA7018
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