ZENNAMA(全国生コンクリート工業組合・協同組合連合会)が発表した2013年度の全国の生コン出荷量は、9,850万184m3で、12年度比107.9%という結果であった。内訳は、官公需4,372万5,592m3、民需5,512万4,592m3。この結果、全国の生コン出荷量は3期連続での増加となった。東北復興事業での需要とともに、マンション建設および医療関連施設の新設工事が中心となった民需での出荷量が牽引した。
すでに今14年度がスタートしている。今年度については、「5%前後の出荷量になると予想している」(福岡県内生コン製造業幹部)と減少するとの予想がされている。参考までに、3月末にZENNAMAが発表した14年度の出荷量予想は9,360万m3となっている。
その予想については、「当社だけでなく、全国のどの工場も想定内の数値である。13年度の出荷量が計画数値以上であったこと。少なくとも直近2期でどん底の状態から脱却して、採算ベースとしてまた、経営として成立する出荷量を確保できているであろう。今年度は、官公需が減少するとされている。たしかに減少するだろうが、一時的なもの。国土強靭化計画を推進する現政権下においては、住宅、道路、港湾、空港などのインフラの整備、維持・修繕の事業が本格化してくるのはたしか。15年度以降よりそれらの事業が発生すると見ている。急上昇することはないが、生コンの安定した出荷量は当面確保できると見込んでいる」(前出幹部)。
13年度は、一時は6期ぶりに1億m3の出荷量に到達するかともささやかれたが、その数値には到達しなかった。それでも業界関係者の表情は、一様に明るいようだ。「組合などの業界の会合に出ても皆余裕の表情である。今後の建設市場を取り巻く環境から、今年度から3~4期の出荷量は、ある程度の見通しが立っているからであろう。それでも安閑とはしておらず、コスト面での引き締めなど各工場冷静にマネジメントを実践している」(前出幹部)と、少しゆとりを持ちながらも、各工場とも健全経営を心がけているという。
業界全体として、総じて堅調な市況が形成されるようだ。
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