福岡市議会が、今月20日から、本会議、条例予算・決算特別委員会総会のライブ配信をYouTubeで始めた。従来から市議会のホームページでライブ配信は行なっていたが、YouTubeの導入によってスマホやタブレットなどで視聴できるようになり、これまで以上に議会を傍聴できる環境が整ったと言える。
議会事務局の広報担当者は「スマホ、タブレットの普及率が上がっている現状に対応した。YouTubeは間口も広いので、できるだけ多くの市民の方に観ていただきたい」と語る。日本共産党福岡市議団の宮本秀国団長は、「議会の公開は積極的に行なうべき」と取り組みを評価したうえで、「編集がないため、実像が浮き彫りになる。市民の方にぜひ積極的に活用してほしい」と語った。
傍聴の機会が増えたとはいえ、議会については難しい印象を持っている方もいるかもしれない。しかし、市議会が去年の12月議会から「一問一答方式」を導入したことによって、いくぶんかは解決されたと言えるだろう。議員が一問ずつ質問を行ない、質問と答弁が繰り返される進行となったことで、議員の質問が話し言葉に近くなり、何について議論して、その議員がどう考えているのかわかりやすくなった。さらに、答弁を受けた議員が疑問に思ったことをすぐその場で聞けるようにもなり、その議案のどのポイントが問題なのか、非常に掴みやすくもなった。議会でのやり取りがより一層密になり、また市民にとっては親しみやすくなっている状況だ。
今、福岡市議会で議論されているトピックは、法人税減税や外国人在留資格の緩和などが話題となっている国家戦略特区をはじめとして、九州大学六本松キャンパス跡地への青少年科学館の移転、ウォーターフロント地区(中央ふ頭・博多ふ頭)の大規模な整備など、福岡市の今後を左右する議案が多くある。
本日30日は、午後1時10分から6月定例会本会議が開かれ、以上の議案等についての討論、決議が行なわれる。福岡市がとる方針、施策については、後にいくらでも知ることができる。しかし、結果に行き着くまでの過程も重要だ。私たち市民を代表する市議会議員の、どの議員がどの立場に立ち、どういう考えを持っているのか――。市議会を傍聴すればわかる。それも市議会に直接行かずとも、YouTubeを開けばよくなった。
ぜひ、外出先からでも、ちょっと覗いてみてはいかがだろうか。
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