＜常に顧客目線でやり続ける＞

　顧客目線の戦略が功を奏し、受注は好調に推移。７億～９億円で推移していた売上高は、住宅需要の高まりを受けマンション建築が増加したことなどから、2013年９月期には10億円を超えた。業績を伸ばした要因としては、需要の高まりはもちろんあるが長年蓄積してきた施工実績による同社への信頼が大きく影響していると言える。

　建築需要が高まるにつれ、職人不足が顕在化。「施工業者が見つからない。紹介してくれ」といった声も多く聞かれるようになった。近年では、マンション工事も見積もり金額ありきで決定されることも多くなってきたが、施工業者の獲得についての可否はこれまで積み上げてきた関係性が決めるといっても過言ではない。

　このように、発注者－元請け業者－下請け業者と多くの事業者が関わる重層構造の建設業界においては、とくに関係性の構築が重要視される。同社もサッシ工事業者として重層構造に属しており、越智社長は人脈を駆使して地方都市の専門工事業者では、他を圧倒する事業規模を誇るまでに拡大してきた。
　また、越智社長が同社を牽引しているのは間違いないが、理念に共感した従業員が一丸となって仕事に取り組むことで高い施工力を裏付けていることも忘れてはならない。

　13年12月には、その施工実績の豊富さから主要取引先であるYKKAP（株）（東京都千代田区）の堀秀充社長が同社を視察に訪れたという。数ある代理店のなかで同社を視察することとなったのは、その施工・販売実績にほかならない。

＜リフォーム市場拡大でサッシ工事に注目＞

　人口減少期にある我が国において、空き家の増加が社会問題となるなど、住宅余剰時代が到来しつつある。空き家の増加による問題は、治安の低下や地価の下落などと言われ、既存住宅の有効活用は喫緊の課題である。

　国交省が既存住宅の流通促進のため、「中古住宅・リフォームトータルプラン」を策定したことによって市場拡大の兆しも見え始めた。マンションなどの区分建物における１戸ごとのリフォーム工事は当然ながら、建物全体のリフォーム工事も今後増加していくだろう。そこで、重要になってくるのはサッシ工事だ。とくに断熱、防音対策ではサッシのリフォームによる効果は高く、既存建物の活用におけるサッシ工事の役割は非常に大きい。

　一般的には評価されにくい専門工事業において、「ブレずにコツコツと顧客の要望に応えて」実績を積み上げてきた（株）サンヨー建材工業。やるべきことを休まず地道にやり続けることで、取引先の信用を勝ち取った同社から学ぶべきところは非常に多く、リフォーム工事の市場規模拡大にともない長年の実績を有する同社の施工力に改めて注目だ。

（了）

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＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：越智　多見男
所在地：福岡県飯塚市秋松941
設　立：1977年10月
資本金：1,000万円
ＴＥＬ：0948-28-7727

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