その活動の目的は、地域づくりは今や完全に地域間競争のただ中にあり、他地域との差別化を図らなければなりません。そのためには、地域の独自性を前面に押し出す必要があります。
この事業は、その独自性を引き出すため、また、地域の活性化をコミュニティの形成と結びつけて、しかも交流人口(観光客)も巻き込もうという考え方のもとに実施されたものです。
具体的には、まず、自分たちの足下の状況からとらえ直そうということになりました。壱岐について自慢できる身の回りの良いトコロ、モノ、コト、ヒト、ココロ(=壱岐の自慢)を、1,000項目の宝発掘として募集したのです。市民が身の回りの自慢を発掘することにより、地域意識を醸成させようとするものです。
その内容は、壱岐のすでによく知られた名物(猿岩や筒城浜海水浴場、ウニ、イカ等)以外に、隠れた名品・名物、我が家自慢、まち自慢、知られざる行事、料理・食べ物、○○名人、我が家のおばあちゃん...と何でもあり、です。
そのような隠れた資源を発掘する方法を3つ実施しました。
1つは、勉強会・ワークショップの開催です。これは、壱岐市民が壱岐に対するアイデンティティを意識してもらうために行われました。実施は2013年11月~12月、壱岐市が旧4町合併の新市であるため、4地区で開催しています。
ワークショップ実施前に、各地の地域づくりの事例を講師が紹介し、そのような事例を念頭に置きつつ壱岐の良いところ、宝物、人知れず輝いているもの等について話し合ってもらい、これをカードに書き込むわけですが、その過程でその事項に詳しい参加者が知らない参加者に説明をし、お互い納得するという情景が生まれ、新たなコミュニケーションが形成される状況が目の当たりにできました。
(つづく)
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(株)地域マーケティング研究所
代表取締役:吉田 潔
和歌山大学産学連携・研究支援センター客員教授、観光学部特別研究員、西日本工業大学客員教授
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