インキューブ天神店は誕生から今年で15年目を迎えた。15歳といえば、子どもであれば義務教育を終えた年齢だ。15年という節目に行われた今回の改装は、天神地区における福岡パルコの新館オープンや福岡ソラリアステージへの増床、ソラリアプラザのリニューアルなどの大きな流れによるものだという。

　郊外の商業施設が盛り上がりを見せるなか、「"ときめきを感じる"、"居心地の良い"店舗づくり」をコンセプトに、郊外のお客様にも足を運んでもらえるよう注力したという今回のリニューアル。お客様が買い物をしやすい環境を提供することにこだわりお客様の声を取り入れた。天神周辺でよく聞かれる「座って休める場所がない」という声を受け、ベンチやイスの数を増やし、休憩スペースを店内のあちらこちらに設けた。陳列棚の高さも変えた。女性客の多いインキューブでは、商品の場所を聞かれて「あちらです」と紹介しても、高さのある陳列棚のせいで女性のお客さまからは見えないことが少なくなかった。小倉・佐世保・大分とインキューブ各店舗で陳列棚の高さを下げていったところ、お客様から好評だったため、天神店では改装後の陳列棚は従来のものを15cm低くした135cmの陳列棚を取り入れた。その他にも、床の素材と色をすべて同じにしたことで、フロアに一体感が増した。陳列棚を低くしたことも相まって、圧迫感のない解放感溢れるフロアとなっている。

　西鉄天神駅に近い２Fのプラットインキューブは、女性のマストアイテムを集約した女性向けコンビニエンスストアのようなものだ。女性の急なニーズにも応えられるアイテムを揃えた女性の強い味方となりそうだ。３Fは西鉄バスセンターからのお客様とPARCOからのお客様が足を運びやすいゴールデンポイント。そこに天神店で最も高い利益を上げていた美容・健康雑貨を配置した。メーカー主催の勉強会に参加し、美容や健康の専門知識を身につけたスタッフがお客様のニーズに沿った提案を行う。以前はわざわざ５Fまで上がらなければならなかったこともあり、バス利用客をはじめとする女性客には好評だという。

　（株）インキューブ西鉄が運営する木の葉モール橋本店やパークプレイス大分といった郊外の商業施設は家族連れのお客様が多く、土日の売り上げも好調だという。郊外の商業施設は広い敷地を有するが、車１台で移動が可能なうえに駐車場が何時間も無料といったサービスを提供しており、売場や通路も広いこともあって家族連れのお客様には利用しやすい環境が整っている。家族連れのお客様の動員は天神店にとって重要な課題。４Fはステーショナリー雑貨・バラエティ雑貨・革小物などを取り扱う、家族で訪れても楽しめるフロアとなっている。子ども連れのお客様にも気兼ねせずに買い物を楽しんでもらうため、ベビーカートが通路を塞ぐことがないよう通路も広くした。特にレジ周辺は通路幅が２ｍとさらに余裕を持たせている。「郊外のサービスには目を見張るものがある。郊外から天神・博多へとお客様に足を運んでもらえるように、環境・サービスには力を入れた」と天神店の津岡店長は話している。

【山崎　由梨奈】

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