2024年04月19日( 金 )

日本人へ~中国トップ10のブロガー、日中ビジネス交渉人・徐静波のメッセージ

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6年前、私は中国最大のポータルサイト「新浪網」で中国語のブログを始めた。最近の訪問者数は8千万人を超えた。2012年鳳凰網でもブログを始め、訪問者数は1億1千万人を超えた。そのおかげで、中国で5億人もいるブロガーのうち、3年連続で上位10人に入り、2つのサイトから「10人のブロガー」の表彰を受けた。


 私の中国語のブログ名は「品味日本」(日本を味わう)という。これは中国人に日本の政治、経済、文化、旅行と日本人の生活を紹介するという意味だ。そのため私のブログは、中国人が日本を理解する最大のブログの窓口となっており、これは誇張でもなんでもなく、多くの人が私のブログを読んでから日本に来ており、ブログで紹介した日本の温泉旅館を訪れることも多い。


 北京華文出版社が私のブログから採った30万字の文章を編集して、『静観日本』という本を出版した。この書名には2つの意味がある。1つは私の名前の「静」、もう一つは中国の読者に静かな平常心で日本を見てほしいという希望を込めている。大部分の文章が「日本はなぜこのようにするのか」ということを解説しているので、中国のメディアは「今日の日本を理解するための最も優れた参考書」と評してくれている。
 村山富市元首相と鳩山由紀夫元首相には推薦文を書いていただいて大変感謝している。出版後1週間で3,000冊売れ、第2版の準備をしている。


 この本の出版で、中国の大学8校で講演会の要請を受けている。どこも「真実の日本」について講演してほしいとの希望だ。11月5日「中央団交」(中国共産主義青年団中央学校)で最初の講演を行った。なぜここを先に選んだのかというと、ここは中国の将来の政治家を育成する学校で、中国の未来を背負う若者と交流してみたいと思ったからだ。
 会場の100余りの座席は満席となり、立ち見の聴衆も少なくなかった。講演と質疑応答に2時間の予定だったが、学生の希望で2時間半の講演となった。さらに質疑応答に40分を費やし、1時間の延長となった。この講演会は、私が中国で行った講演会でも最も大規模な講演となった。テーマは「なぜ日本は中国より先進的か」であった。


 講演の最後に「中国は日本に学ぶべきだ」という一言を加えた。予想に反して、学生たちは反感を持つどころか、この言葉に拍手が沸き起こった。私はここで中国の「90後」(1990年以降に生まれた者)はその前に生まれた者より、理性的に日本を見、日本を理解しようとしていることに気付いた。


 ある博士課程の学生が提起した問題には深く考えさせられるものがあった。彼は「我々は日本と友好的にやりたいと思っている。しかし日本は中国に対して友好的ではないとずっと思っていました。歴史問題は棚上げにすることはできます。しかし安倍首相は他の国に行き、国際会議に参加するごとに、中国脅威論を唱えます。以前は東シナ海、現在は南シナ海やインド洋を持ち出す。まるで中国が世界最大のテロ組織であるかの言い方です。彼はなぜアメリカを非難しないのでしょうか。国と国の間では必ず政治的立場が異なります。しかしいつも中国の問題をとらえては至る所で宣伝する。忍耐強い人も気持ち良くはありません。日本はイギリスやドイツに学ぶべきです。中国とは『大同を求め小異を残す』ことで発展関係を築き、できるだけ国家の経済的利益に有利な状況を作り、全世界の人々とビジネスと行うべきです。日本だけがずっと戦争を考えている。日本人の頭はますます正常でなくなっているのではないでしょうか」という。


 私は次のように答えた。「君の意見は私が必ず日本に持ち帰り、日本社会に訴えます。中国の若者は日本政府が中国の悪口を言わないことを希望していると。歴史問題は棚上げしても良いが、両国の間で新たな矛盾を作り出さないこと。そうでなければまた喧嘩になると」。

 

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