新電力大手、事業から撤退~自前電源を持たない新電力は危ないのか
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新電力大手の日本ロジテック協同組合が3月末に電力事業から撤退する見通しとなった。同社が自前の発電所を持たないことから、他社との競争激化で収益力が落ち込んだためと報じられている。
九州で活動する新電力事業者の関係者に、日本ロジテックについて聞いてみたところ、意外な答えが返ってきた。「2年前からすでに、経営が厳しいとは聞いていました。しかし、今はむしろ、自前で電源を持たないほうがいいぐらいですよ」――なぜ「今」なのか。
それは、急激に進んでいる原油安が影響しているという。自前の電源を持たない事業者は一般的に、工場など自家発電設備を持つ事業者から一括調達した電力を、大手電力会社より安い価格で供給してもらっている。その際の発電に多く使用されるのは石油であるという。
電力調達先である電力市場では、原油安に振れる前、電力1キロワットアワーあたり、11円~12円ほどだったが、現在では6円ほどまで安くなっているという。安く仕入れられる分、利益を出しやすい状況になっているのだ。逆に、自前電源を保有する新電力事業者にとってみれば、マイナスである。たとえば、自社バイオマス発電所で、1キロワットアワーあたり8円で発電しているとする。原油高の状況下では、価格面で優位性が保たれていたが、原油安となり、自社発電よりも電力市場から仕入れる方が安くなる。発電コストを抑えるために、設備投資したにもかかわらず、外から調達したほうが安くなるのが、現状のようだ。
【東城 洋平】
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