2024年04月19日( 金 )

視線は東京五輪、日本のルーツがわかる絵に~昭和会賞受賞の吉武弘樹氏

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 久留米市出身の新鋭画家・吉武弘樹氏の作品「未来の計画」が、日動画廊主催の「第51回昭和会展」の最高賞にあたる「昭和会賞」を受賞した。昭和会展とは、未来の巨匠を選出するための賞と言われる名誉ある賞だ。吉武氏に受賞の喜びとこれからをうかがった。

新作は日本美術をモチーフに

mirai 「昭和会賞という歴史ある賞をいただけたのは大変名誉なこと。これまで受賞された歴代の先生方に恥じないような作品をこれからも制作していきたい」と語る吉武氏。
 これまで数々の賞を受賞してきた吉武氏だが、近年、観光旅行で目の当たりにした光景を見て、自らの作風に変化があったという。
 「観光でアメリカのメトロポリタン美術館に行く機会がありました。そこで日本のコーナーがあり、陶芸や日本の絵画などが多数展示されており、日本のルーツがよくわかりました。当たり前にあるものですが、日本画を含めて、昔の作品を掘り起こして今風に再構築し、油絵、西洋絵画を勉強し直そうと思いました」。

 作品を手がけるにつれ、日本の美術の流れを勉強し直すことが多くなった。その過程で生まれた今回の作品は、日本の陶器の色である藍色をモチーフとしたものとなっている。「琳派、浮世絵、鶴、葛飾北斎の作品で度々登場する波とタコを描きました。日本美術をモチーフとしています」。
 日本の歴史があって今がある。1枚のキャンバスにそれを表現するのは難しいことだが、吉武氏は現状に甘んじることなく、常に新しい分野にチャレンジしている。

東京五輪で日本を代表する画家に

 青と言えば、8月開催されたリオデジャネイロ五輪の閉会式で、次期開催国の日本が紹介されるなかで使われていた国のイメージカラーも青だった。4年後の2020年には東京五輪が開催される。日本が世界中から注目されるなか、スポーツもさることながら、文化、芸術も注目され、当然絵画への関心度も高まることが予想される。
 日本美術と西洋絵画の融合により、新しい発想の絵画で日本を代表する画家になることが期待される。

<プロフィール>
yositake_pr吉武 弘樹(よしたけひろき)
1982年、福岡県久留米市生まれ。2009年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。11年、同大大学院美術研究科修士課程絵画専攻修了。
URL:http://www.hirokiyoshitake.com/

 

 【受賞歴】
2009年 卒業制作 台東区長賞、平山郁夫賞
2012年 第8回世界絵画大賞展 入選
2015年 第4回青木繁記念大賞 西日本美術展 特別賞(テレビ西日本賞)
2016年 日動画廊 第51回昭和会賞

【展覧会】
2012年 artist Shuffle ハート♡のA(エース)をみつけよう(銀座三越、東京)
2014年 個展「原風景」(石橋美術館本館1Fギャラリー)
     個展「原風景」(福岡三越9階岩田屋三越美術館画廊、福岡)
2015年 個展「洋画展」(天満屋、広島)

【アートフェア】
2010年 アートフェア東京2010(東京国際フォーラム、東京)

 

関連キーワード

関連記事