2024年03月29日( 金 )

「夢持ち続け日々精進」~(株)ジャパネットたかた 元社長が経営人生を語る

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 2月16日、博多法人会主催による(株)A and Live 代表取締役社長 高田明氏の講演会が行われた。
 テレビショッピングで見せた独特のトークで存在感を発揮し、一躍「ジャパネットたかたの社長」として有名人となった同氏。(株)ジャパネットたかたを2年前に退社し、現在は別会社を立ち上げている。“「今を生きる」ことが不可能を可能にする”をテーマに、自身のこれまでの人生について語った。

 高田氏は1948年に長崎県の平戸に生まれた。大阪経済大学を卒業後、メーカーに就職し通訳として海外駐在を経験。74年に父親が経営するカメラ店へ入社し、86年に分離独立しカメラ店の「(株)たかた」を設立した。90年にラジオでショッピング番組を始めたのを機に全国へネットワークを拡げ、その後テレビ、チラシ・カタログなどの紙媒体、インターネットや携帯サイトなどでの通販事業を展開。1999年5月に社名の「たかた」を現在の「ジャパネットたかた」に改めた。その後、通販番組で独特の口調と商品を紹介する高田氏の姿が注目され、高田氏自身も全国に名前を知られることとなった。

 2015年1月にジャパネットたかたの代表を退任し、同時に「(株)A and Live」を立ち上げた。社名の由来は『今を生き生きと生きる世の中にしたい』という想いから。その想いは、経営にも通じるものがあり、高田氏は今回の講演でも繰り返し「今」の重要性を述べる。
 「過去でも、未来でもなく、今どうするか。そのときそのときの”今”を全力で生きてきた結果、今の私があるんです」と熱弁する姿は確かに生き生きとしていた。

 高田氏はエリヤフ・ゴールドラットの著作『The・Choice』を引用しこう述べる。
 「人間は物事を複雑にし過ぎている。物事をシンプルに考えることが大切なんです。例えば、20個しなければならないことがあったら、その中から3だけやる。3つにだけ打ち込む。そうしたら、いつの間にか残りの17個の問題も解決している」。
 物を売るうえで大切なのは、決めつけないこと。市場や、ターゲット、商品の価値を決めつけずに、常に可能性を模索していくことが大切だと語る高田氏。商品の提案の仕方を本気で考え続けることが、ひらめきや直感力の向上にも繋がっていくという。

 質疑応答の際、「経営する上で最も大切なことはなんですか」という質問が飛んだ。高田氏は「会社とは人を幸せにするためにある」と前提を述べたうえで、「人を感じることだと思います。人の心を感じて、何を求めているかを読み取ることが大切」と答えた。
 高田氏は1月13日に初の自著となる『伝えることから始めよう』を出版。今回の講演同様「今を生きる」をテーマに、高田氏の人生哲学を語りつくした一冊となっている。

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