2024年04月20日( 土 )

安倍昭恵氏森友事案解明不能は民進党の責任

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、森友学園をめぐる問題の解明について、野党である民進党の覚悟と行動について問うた、4月10日付の記事を紹介する。

 


 野党第一党の民進党は森友事案にどう対応するのか。

 安倍首相が国会で「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれは、もう私は総理大臣も、そりゃもう、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」と述べた。

 安倍昭恵氏は森友学園の籠池泰典理事長から土地問題で相談を受け、秘書の谷査恵子が動いた。谷氏が財務省に問い合わせ、得た回答を籠池氏にFAXで送信した。籠池氏の要望は半年間に、ほぼ全面的に満たされた。
 安倍昭恵氏による「口利き」によって、籠池氏の要望が「満額回答」を得た「外形」が読み取れる。

 最大の問題は鑑定評価額が9億5,600万円とされた国有地が1億3,400万円で払い下げられてことだ。国有財産の売却については、財政法で、「第9条 国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」と定められている。「適正な対価なくしてこれを譲渡してはならない」のである。

 財務省による8,770平米国有地の1億3,400万円での払い下げは、財政法第9条に違反する行為である疑いは濃厚である。

 安倍首相の国会答弁を踏まえれば、安倍首相は首相と国会議員を辞任するべきである。現状では安倍昭恵氏の森友土地問題への関与は極めて濃厚である。しかも、その土地取引が財政法に違反する、国および国民に対する「背任」である疑いが濃厚なのである。安倍首相がこの疑惑を払拭したいなら、安倍昭恵氏の国会証人喚問を認める以外に有効な方法はないだろう。

 真相解明を求める野党は、安倍昭恵氏の証人喚問を強く求めるべきである。与党がこれに応じなければ、すべての国会審議を拒絶する行動を取るべきである。国会審議に応じても国会審議に応じなくても、与党は「数の力」ですべての審議を強行する横暴を働いているのである。その国会審議を意義あるものにするためにも、「全面的な審議拒否」は有効な、野党の対抗手段である。審議に応じて、与党が真摯な姿勢を示すなら、円滑な審議で実のある議論をすればよい。
 ところが、与党が「数の力」を盾にして、横暴な国会運営を続けている現状を踏まえるなら、野党は国民に対する訴えとして、正当な要求を通すために、審議の全面拒否程度の強い姿勢を示すべきである。

 安倍昭恵氏に5人もの公務員が「秘書」としてついていること自体がおかしい。安倍昭恵氏が私的な活動としてハワイに訪問したり、スキーツアーに出かけて行った際にも、公務員の秘書が随行している。その「秘書」のハワイ訪問の旅費までが血税で賄われている。
 また、安倍昭恵氏が選挙の応援活動をした際にも、公務員の秘書が随行している。安倍昭恵氏の選挙活動を支援していたなら国家公務員法違反になる事案である。

 安倍昭恵氏は森友学園の籠池理事長に100万円の寄付を手渡ししたことについて、「そのような事実はない」と否定していない。「記憶がない」と言っているだけである。その後に、「記憶がない」ことから「寄付をしていない」ということにしているだけである。

 安倍政権は籠池氏が証人喚問で証言した「100万円の寄付を受けた」ことが「虚偽」であるなら、議院証言法に基づき、「偽証」の告発を行う必要がある。「偽証」の告発を行わないなら、100万円寄付を事実であると認めることになる。

 いま問われているのは、野党民進党の覚悟と行動である。この問題を中途半端にして、問題をうやむやにするなら、その責任を問われるのは野党民進党である。そうなれば、この党に未来はない。消滅するのみということになる。

※続きは4月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1713号「長島議員離党で期待される民進党の早期解散」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

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