2024年04月26日( 金 )

合言葉は「タイム イズ ブレイン」~福岡脳神経外科病院開業

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

4月7日に行われた記者会見での呉会長挨拶

 九州初となる24時間365日体制の脳神経外科専門病院「(医)光川会 福岡脳神経外科病院」が、4月11日、福岡市南区曰佐に開業した。診療科目は、脳神経外科、神経内科、(急性期)リハビリテーション科で、脳疾患に特化した専門医療機関となる。医師は、脳神経外科専門医及び血管内治療専門医で構成され、常勤が8名、非常勤が6名。夜間でも専門医2名が当直し緊急の患者に対処する。病床数は、現在のところ60床で、うち18床がSCU(脳卒中ハイケアユニット)となる。今後、患者数の増加に伴って病床数を増やす予定だ。

 同院は地上6階建となり、1階がエントランスと駐車場(収容台数45台)、2階が外来受付と診察室、救急、3階が手術室とSCU、4階が病棟とSCU、5階が病棟とリハビリ室、6階がラウンジで構成されている。プライバシーやセキュリティに配慮し、患者や面会者などが利用するエリアとスタッフが利用するエリアを明確に分離している。また、ER型救急医の第一人者である河野寛幸救急科部長の指導で、救急医療が効率的に行えるように配慮した空間を構築。脳卒中の治療は時間との戦いと言われるため、救急からMRI・CTなどの検査室、手術室、SCUへといった導線は考え抜かれた配置となっている。

風川院長挨拶

 理事長の高橋伸明医師は、福岡記念病院院長(脳神経外科部長)、福岡記念クリニック院長を経て、現職に就任。開頭手術の第一人者。院長の風川清医師は、今年3月末まで福岡大学筑紫病院で脳神経外科教授を務め、4月から現職に就任。一般的な脳神経外科疾患の治療のほか、メスを用いずに太ももの付け根の動脈から細いカテーテルを挿入して脳深部の病変を治療する脳血管内治療の第一人者。非常勤の呉 義憲(ごう よしのり)医師は、(医)光竹会・光川会グループの会長であり、同病院設立の立役者。2004年6月、福岡県那珂川町に「ごう脳神経外科クリニック」を開業。その後、(医)光竹会を設立し、那珂川町を中心にデイサービスやデイケアセンター、福岡市内2カ所にクリニックを開設した。

 「脳卒中は発症しやすい時期があります。病床数の少ないクリニックでは満床になってしまうと急患を受け入れることができません。また、1人の医師が立て続けに手術をすることは困難です。地域の患者さんを責任もって最後まで診たいのですが、いざというときに受け入れられないということが多々ありました。私自身納得できる医療を提供したいという思いから、光竹会で基盤を作り、一流の先生方にお越しいただいて理想の病院をつくることができました」(呉会長)。
 呉会長(光川会)の同院への投資額は約34億円で、うち17億5,000円が設計・建設費となる。2台のMRI、2室のハイブリッド手術室(手術台に血管X線装置を組み合わせた手術室)など、最新の医療設備を備える。ハイブリッド手術室では、開頭手術と血管内手術を同時に、あるいは個別に行うことができる。

 「タイム イズ ブレイン(時は脳なり)」が脳神経外科の医師の合言葉になるほど、1分でも1秒でも早く治療を開始すれば、予後は大きく改善すると言われる脳卒中。市民の啓発も必要で、手足や顔面のしびれ、ろれつが回らない、言葉が出ないなどの症状が出たら、すぐに救急車を呼び適切な治療を受けることが望ましい。

ハイブリッド手術室について説明する高橋理事長(右)と河野救急科部長

【村重 珠実】

(医)光川会 福岡脳神経外科病院
所在地:福岡市南区曰佐5-332-1
TEL:092-558-0081
HP:http://www.fukuokanh.jp/

 

関連記事